[P1-B-0033] くも膜下出血にて,脳梁・帯状回を損傷,その後,正常圧水頭症を呈した一症例
Keywords:くも膜下出血, 脳梁離断症状, 帯状回
【目的】
今回,くも膜下出血で前大脳動脈のA3,A4領域(脳梁,帯状回)を損傷し,脳梁離断症状,帯状回の症状を認め,その後,正常圧水頭症を呈した患者を脳卒中ケアユニットから理学療法を開始したので転院までの経過を報告する。
【症例提示】
60代男性。くも膜下出血。意識障害と左片麻痺。寝室で嘔吐し倒れている所を家族が発見,救急搬送され入院。同日,開頭クリッピング術施行。3病日より理学療法を開始した。
【経過と考察】
本症例は,3病日より理学療法開始。意識障害と左片麻痺があり関節可動域練習と意識障害改善を目的に背もたれ座位を開始。8病日で左片麻痺がBRSIIIからVIレベルに回復。しかし左上肢において不随意運動が出現し始める。13病日に不随意運動は減少しているが,立ち上がり・着座に抵抗感が強く認められる。また拮抗失行もみられ従命動作も出来なかった。24病日より歩行練習開始。しかし水頭症症状が出現し歩行が不安定になった。2回TAPテストを実施。介助量軽減はみられたが,時間の経過で介助量が戻るため,38病日にV-Pシャント施行。施行後は,認知面の向上もみられ,近位監視下で独歩可能となる。この頃に床上動作で四つ這い位や高這い位等を練習し両手での協調性向上の練習を開始した。57病日に回復期病棟を有する姉妹病院へ転院となる。この時,四肢麻痺無し,基本動作,独歩は近位監視,ADLは監視・介助を要した,脳梁離断症状と水頭症症状は改善傾向にあるが,帯状回の症状は残存した。
今回,開始当初は,他の前大脳動脈領域の症状と変わりないと考えていた。しかし,脳梁や帯状回の症状が出現した。それにより理学療法の進みが難渋した。またこの急性期の短期間に症状の変化が多く,各症状の変化に対して効率的な治療の選択や治療の優先順位の決定に時間を要した。今後もこのような症例を担当する機会があり,もっと柔軟な対応が出来ることが大切であると考える。
今回,くも膜下出血で前大脳動脈のA3,A4領域(脳梁,帯状回)を損傷し,脳梁離断症状,帯状回の症状を認め,その後,正常圧水頭症を呈した患者を脳卒中ケアユニットから理学療法を開始したので転院までの経過を報告する。
【症例提示】
60代男性。くも膜下出血。意識障害と左片麻痺。寝室で嘔吐し倒れている所を家族が発見,救急搬送され入院。同日,開頭クリッピング術施行。3病日より理学療法を開始した。
【経過と考察】
本症例は,3病日より理学療法開始。意識障害と左片麻痺があり関節可動域練習と意識障害改善を目的に背もたれ座位を開始。8病日で左片麻痺がBRSIIIからVIレベルに回復。しかし左上肢において不随意運動が出現し始める。13病日に不随意運動は減少しているが,立ち上がり・着座に抵抗感が強く認められる。また拮抗失行もみられ従命動作も出来なかった。24病日より歩行練習開始。しかし水頭症症状が出現し歩行が不安定になった。2回TAPテストを実施。介助量軽減はみられたが,時間の経過で介助量が戻るため,38病日にV-Pシャント施行。施行後は,認知面の向上もみられ,近位監視下で独歩可能となる。この頃に床上動作で四つ這い位や高這い位等を練習し両手での協調性向上の練習を開始した。57病日に回復期病棟を有する姉妹病院へ転院となる。この時,四肢麻痺無し,基本動作,独歩は近位監視,ADLは監視・介助を要した,脳梁離断症状と水頭症症状は改善傾向にあるが,帯状回の症状は残存した。
今回,開始当初は,他の前大脳動脈領域の症状と変わりないと考えていた。しかし,脳梁や帯状回の症状が出現した。それにより理学療法の進みが難渋した。またこの急性期の短期間に症状の変化が多く,各症状の変化に対して効率的な治療の選択や治療の優先順位の決定に時間を要した。今後もこのような症例を担当する機会があり,もっと柔軟な対応が出来ることが大切であると考える。