[P1-C-0069] 狭心症再発後の心臓リハビリテーションにより精神心理状態と行動に変化を認めた症例
Keywords:心臓リハビリテーション, 精神心理, 行動
【目的】
精神心理状態に着目し心臓リハビリテーション(以下,心リハ)を実施し,精神心理状態の改善と生活行動が変容した狭心症再発症例を経験したため報告する。
【症例提示】
症例:60歳代後半の女性。診断名:狭心症再発。現病歴:狭心症にて5ヵ月前に冠動脈バイパス術が施行された(心リハは実施されなかった)。今回,動悸を自覚し循環器内科を受診,狭心症再発の診断で入院となった。バイパス吻合部近辺に90%狭窄を認めた。内服治療で加療され心リハが依頼された。
【経過と考察】
11病日に心肺運動負荷試験を実施した。嫌気性作業閾値(以下,AT)は7.2ml/kg/min,ATまでは有意な虚血を認めなかった。安全であることを説明した上で,リハビリ室にて週5回の自転車駆動を開始した。同時に,病棟での自主運動としてゆっくり歩行(2METs)を指導した。しかし,「苦しくなる気がしてしょうがない」という不安感から病棟での歩行は実施できず,日常生活範囲の拡大を阻害していた。そこで,25病日よりリハビリ室での運動を自転車駆動30分から直接監視下での2METsのゆっくり歩行に変更した。その後,不安感が徐々に薄れ,病棟においても非監視下での連続歩行30分が可能となり,39病日に自宅退院となった。ATは8.2ml/kg/minへ改善した。Profile of Mood Statesを用い,経時的(入院前→リハ開始時→開始後2週→退院時→退院後)に気分を評価した。入院前の気分は,「どのような気分で過ごしてきましたか?」と振り返って頂き評価した。標準化得点で,緊張は75→64→55→40→47,抑うつは72→55→53→42→45,活気は31→31→35→49→44へ改善した。退院後には「気持ちが軽くなった」「一人で買い物にいけた」などの言葉が聞かれた。
科学的根拠のある運動領域の設定や監視下歩行は,精神心理的な安定をもたらせた。心疾患罹患後は,運動耐容能向上のためだけではなく,健全な精神心理状態の保持のためにも心リハが必須である。
精神心理状態に着目し心臓リハビリテーション(以下,心リハ)を実施し,精神心理状態の改善と生活行動が変容した狭心症再発症例を経験したため報告する。
【症例提示】
症例:60歳代後半の女性。診断名:狭心症再発。現病歴:狭心症にて5ヵ月前に冠動脈バイパス術が施行された(心リハは実施されなかった)。今回,動悸を自覚し循環器内科を受診,狭心症再発の診断で入院となった。バイパス吻合部近辺に90%狭窄を認めた。内服治療で加療され心リハが依頼された。
【経過と考察】
11病日に心肺運動負荷試験を実施した。嫌気性作業閾値(以下,AT)は7.2ml/kg/min,ATまでは有意な虚血を認めなかった。安全であることを説明した上で,リハビリ室にて週5回の自転車駆動を開始した。同時に,病棟での自主運動としてゆっくり歩行(2METs)を指導した。しかし,「苦しくなる気がしてしょうがない」という不安感から病棟での歩行は実施できず,日常生活範囲の拡大を阻害していた。そこで,25病日よりリハビリ室での運動を自転車駆動30分から直接監視下での2METsのゆっくり歩行に変更した。その後,不安感が徐々に薄れ,病棟においても非監視下での連続歩行30分が可能となり,39病日に自宅退院となった。ATは8.2ml/kg/minへ改善した。Profile of Mood Statesを用い,経時的(入院前→リハ開始時→開始後2週→退院時→退院後)に気分を評価した。入院前の気分は,「どのような気分で過ごしてきましたか?」と振り返って頂き評価した。標準化得点で,緊張は75→64→55→40→47,抑うつは72→55→53→42→45,活気は31→31→35→49→44へ改善した。退院後には「気持ちが軽くなった」「一人で買い物にいけた」などの言葉が聞かれた。
科学的根拠のある運動領域の設定や監視下歩行は,精神心理的な安定をもたらせた。心疾患罹患後は,運動耐容能向上のためだけではなく,健全な精神心理状態の保持のためにも心リハが必須である。