[P1-C-0076] 消化器外科周術期リハビリテーションにおける実施量が患者状態に与える影響に関する調査
キーワード:周術期, 身体活動量, 栄養状態
【目的】がんに対する外科術後周術期リハビリテーション(以下,リハ)は呼吸器合併症や廃用症候群の予防が目的とされている。呼吸器合併症の予防効果は多く報告されているが,廃用症候群の予防に関しては効果的な介入方法や期間など明確となっていない。また,低栄養や侵襲による蛋白異化により廃用を助長するため,栄養状態の関連性も重要とされている。そこで,当院におけるリハ実施状況及び患者状態を調査し,リハ実施量の違いが身体機能や栄養状態などの患者状態に及ぼす影響を検討することを目的とした。
【方法】2013年1月から2014年1月に当院外科にてがんの手術を施行され退院となった126例(平均年齢71.6歳)を対象とし,後方視的に調査した。対象を術後約1週で合併症なく安定した自立歩行を獲得しリハ終了した患者(自立群:77名)と身体状況により退院までリハ実施した患者(退院群:49名)に群分けした。抽出データはリハ実施単位数,術後在院日数,併存症有無,術後合併症有無,術前から退院時の体重減少量,退院時のアルブミン値及び総タンパク値,連続歩行距離,歩行距離到達日数,リハ実施項目有無とした。各データを比率尺度データはMann-Whitney検定にて,名義尺度データはχ2検定にて比較した。
【結果と考察】リハ実施単位数(自立群6.7単位;退院群15.0単位:以下同順),歩行距離到達日数(5.3日;7.7日),体重減少量(3.1kg;2.1kg)に差がみられた。また,リハ実施項目は退院群にて多様な項目を実施していた。術後在院日数(22.1日;22.3日),アルブミン値(3.2g/dL;3.1 g/dL),歩行距離(254.6m;230.3m)などは差を認めなかった。以上より,リハ実施量が増加することで体重減少量の抑制が得られ,骨格筋の蛋白異化抑制への影響も考えられた。一方検査値や歩行距離などの身体機能には影響が見られなかった。今後前向きな調査,検討により廃用症候群の予防効果を検討していきたい。
【方法】2013年1月から2014年1月に当院外科にてがんの手術を施行され退院となった126例(平均年齢71.6歳)を対象とし,後方視的に調査した。対象を術後約1週で合併症なく安定した自立歩行を獲得しリハ終了した患者(自立群:77名)と身体状況により退院までリハ実施した患者(退院群:49名)に群分けした。抽出データはリハ実施単位数,術後在院日数,併存症有無,術後合併症有無,術前から退院時の体重減少量,退院時のアルブミン値及び総タンパク値,連続歩行距離,歩行距離到達日数,リハ実施項目有無とした。各データを比率尺度データはMann-Whitney検定にて,名義尺度データはχ2検定にて比較した。
【結果と考察】リハ実施単位数(自立群6.7単位;退院群15.0単位:以下同順),歩行距離到達日数(5.3日;7.7日),体重減少量(3.1kg;2.1kg)に差がみられた。また,リハ実施項目は退院群にて多様な項目を実施していた。術後在院日数(22.1日;22.3日),アルブミン値(3.2g/dL;3.1 g/dL),歩行距離(254.6m;230.3m)などは差を認めなかった。以上より,リハ実施量が増加することで体重減少量の抑制が得られ,骨格筋の蛋白異化抑制への影響も考えられた。一方検査値や歩行距離などの身体機能には影響が見られなかった。今後前向きな調査,検討により廃用症候群の予防効果を検討していきたい。