[P1-C-0079] 当院における大腸術後リハビリテーションの現状調査
キーワード:外科, 周術期, 早期離床
【目的】
外科周術期においての理学療法(PT)は排痰の実施や指導,術後早期離床に関わり,肺炎や静脈血栓塞栓症(VTE)などの術後合併症予防に寄与している。本研究では当院における大腸術後リハビリテーションの関わりについて調査した。
【方法】
対象は2013年に当院で予定・緊急問わず大腸の手術を受けた217名のうち,除外基準(元々ADL介助レベルのもの・縫合不全などで新たに手術や処置が加わったもの)の患者を除いた185名(結腸105名,直腸80名/男性114名,女性71名/予定手術137件,緊急手術48件)とした。それぞれの手術を開腹手術と腹腔鏡下手術に分け,開腹結腸(OC)群(69±13.6歳,男性57名,女性29名),腹腔鏡下結腸(RC)群(70±11.3歳,男性10名,女性9名),開腹直腸(OR)群(68±11.7歳,男性35名,女性24名),腹腔鏡下直腸(RR)群(69±10.9歳,男性12名,女性9名)の4群に分けた。調査項目はPT介入率,術後在院日数,合併症発生率(肺炎及びVTE)とした。
【結果と考察】
PT介入率はOC群73.3%,RC群73.7%,OR群59.3%,RR群61.9%であり,直腸手術で介入が少ない傾向にあった。術後在院日数は中央値でOC群9(4-49)日,RC群6(3-9)日,OR群12(5-39)日,RR群6(4-10)日であり,開腹手術において緊急手術を除くと結腸7.5日,直腸10日となった。これは当院のクリニカルパスの日数(結腸7-8日,直腸12-17日)を概ね支持する形となった。腹腔鏡下手術と比較して開腹手術の在院日数が長いことに関しては,緊急手術の割合が多いこと,人工肛門増設が多いこと,手術の侵襲が大きいことが考えられる。合併症発生率はいずれの群においても0であった。PT介入率が高い群の方が,術後在院日数が短縮傾向にあったことから,PT介入は術後在院日数を低減させるひとつの因子になりうることが示唆された。また術後PT介入は合併症の予防につながると考えられた。
外科周術期においての理学療法(PT)は排痰の実施や指導,術後早期離床に関わり,肺炎や静脈血栓塞栓症(VTE)などの術後合併症予防に寄与している。本研究では当院における大腸術後リハビリテーションの関わりについて調査した。
【方法】
対象は2013年に当院で予定・緊急問わず大腸の手術を受けた217名のうち,除外基準(元々ADL介助レベルのもの・縫合不全などで新たに手術や処置が加わったもの)の患者を除いた185名(結腸105名,直腸80名/男性114名,女性71名/予定手術137件,緊急手術48件)とした。それぞれの手術を開腹手術と腹腔鏡下手術に分け,開腹結腸(OC)群(69±13.6歳,男性57名,女性29名),腹腔鏡下結腸(RC)群(70±11.3歳,男性10名,女性9名),開腹直腸(OR)群(68±11.7歳,男性35名,女性24名),腹腔鏡下直腸(RR)群(69±10.9歳,男性12名,女性9名)の4群に分けた。調査項目はPT介入率,術後在院日数,合併症発生率(肺炎及びVTE)とした。
【結果と考察】
PT介入率はOC群73.3%,RC群73.7%,OR群59.3%,RR群61.9%であり,直腸手術で介入が少ない傾向にあった。術後在院日数は中央値でOC群9(4-49)日,RC群6(3-9)日,OR群12(5-39)日,RR群6(4-10)日であり,開腹手術において緊急手術を除くと結腸7.5日,直腸10日となった。これは当院のクリニカルパスの日数(結腸7-8日,直腸12-17日)を概ね支持する形となった。腹腔鏡下手術と比較して開腹手術の在院日数が長いことに関しては,緊急手術の割合が多いこと,人工肛門増設が多いこと,手術の侵襲が大きいことが考えられる。合併症発生率はいずれの群においても0であった。PT介入率が高い群の方が,術後在院日数が短縮傾向にあったことから,PT介入は術後在院日数を低減させるひとつの因子になりうることが示唆された。また術後PT介入は合併症の予防につながると考えられた。