[P1-C-0084] 当院における脳卒中下肢装具作製患者の退院先へ影響を及ぼす要因
自宅退院患者の帰結予測と非自宅退院患者に対する今後の課題
Keywords:脳卒中, 下肢装具, 予測因子
【目的】
リハビリテーション(以下,リハ)医療における装具の治療的役割は明確であり,脳卒中ガイドライン2009においても推奨されている。しかし装具が効果的との見解はあるが,退院先の明確な帰結を予測する要因は認めない。そこで我々は下肢装具作製者における帰結する要因について,後方視的に調査するとともに今後の課題について検討した。
【方法】
対象は平成25年4月から平成26年3月までに下肢装具処方をした脳卒中患者59例,内訳は自宅退院群24例と非自宅退院群35例を調査した。項目は入院時及び退院時の機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:以下,FIM),Stroke Independence Assessment Set(以下,SIAS),利得(退院時SIAS-入院時SIAS)をMann-WhitneyのU検定,患者の同居家族の有無はχ2検定を用いて比較検討をした。統計にはSPSS statistics version 19を使用し,危険率5%未満を有意水準とした。
【結果と考察】
(自宅群vs非自宅群:平均±標準偏差)入院時FIMは64.9±25.8点vs 38.2±18.8点,退院時FIMは97.9±14.5点vs 60.9±24.3点,SIAS下肢股0.9±0.6vs0.7±1.0,SIAS下肢膝0.9±0.9vs0.7±0.9,SIAS下肢足0.8±0.8vs0.7±0.9は有意差を認めた。患者の同居家族の有無(有:無)は自宅群(17:7)vs非自宅群(20:15)であり有意差を認めなかった。以上の結果から自宅退院する要因に入院時のFIMやSIASの利得が影響していることが解った。入院時の重症度と退院時の帰結の関係は,両者に優位な関係を認める(北川,2009)報告もあり,装具作製患者においても同様のことが考えられる。自宅退院患者については入院時の身体機能評価から,適正な装具処方を行い,積極的な立位,歩行が活動量を確保した結果,自宅退院に影響を及ぼしたと推察される。そして非自宅退院患者は比較的重症例が多く,入院時から生活期に向けた予後予測を行い装具の使用目的や方法を検討し,生活期へ装具を交えた連携を図ることが当院回復期リハ病棟における課題と考える。
リハビリテーション(以下,リハ)医療における装具の治療的役割は明確であり,脳卒中ガイドライン2009においても推奨されている。しかし装具が効果的との見解はあるが,退院先の明確な帰結を予測する要因は認めない。そこで我々は下肢装具作製者における帰結する要因について,後方視的に調査するとともに今後の課題について検討した。
【方法】
対象は平成25年4月から平成26年3月までに下肢装具処方をした脳卒中患者59例,内訳は自宅退院群24例と非自宅退院群35例を調査した。項目は入院時及び退院時の機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:以下,FIM),Stroke Independence Assessment Set(以下,SIAS),利得(退院時SIAS-入院時SIAS)をMann-WhitneyのU検定,患者の同居家族の有無はχ2検定を用いて比較検討をした。統計にはSPSS statistics version 19を使用し,危険率5%未満を有意水準とした。
【結果と考察】
(自宅群vs非自宅群:平均±標準偏差)入院時FIMは64.9±25.8点vs 38.2±18.8点,退院時FIMは97.9±14.5点vs 60.9±24.3点,SIAS下肢股0.9±0.6vs0.7±1.0,SIAS下肢膝0.9±0.9vs0.7±0.9,SIAS下肢足0.8±0.8vs0.7±0.9は有意差を認めた。患者の同居家族の有無(有:無)は自宅群(17:7)vs非自宅群(20:15)であり有意差を認めなかった。以上の結果から自宅退院する要因に入院時のFIMやSIASの利得が影響していることが解った。入院時の重症度と退院時の帰結の関係は,両者に優位な関係を認める(北川,2009)報告もあり,装具作製患者においても同様のことが考えられる。自宅退院患者については入院時の身体機能評価から,適正な装具処方を行い,積極的な立位,歩行が活動量を確保した結果,自宅退院に影響を及ぼしたと推察される。そして非自宅退院患者は比較的重症例が多く,入院時から生活期に向けた予後予測を行い装具の使用目的や方法を検討し,生活期へ装具を交えた連携を図ることが当院回復期リハ病棟における課題と考える。