第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター8

スポーツ支援2

2015年6月6日(土) 11:25 〜 12:25 ポスター会場 (展示ホール)

座長:河野礼治(新別府病院 リハビリテーション科)

[P2-0388] 奈良マラソンでのメディカルサポート活動について

唄大輔1, 福本貴彦1, 和田哲宏2, 明道知己3, 石橋睦仁4, 尾崎文彦5 (1.畿央大学大学院健康科学研究科, 2.田北病院リハビリテーション科, 3.西ノ京病院リハビリテーション科, 4.高の原中央病院リハビリテーション科, 5.東大寺福祉療育病院リハビリテーション科)

キーワード:奈良マラソン, メディカルサポート, スポーツ障害

【目的】
奈良マラソンは2010年に第1回が開催された大規模な市民参加型マラソン大会であり,毎年1万6000人もの市民ランナーが参加される。我々(公社)奈良県理学療法士協会の奈良マラソンメディカルサポート委員会は,2011年・2012年・2013年に開催された奈良マラソンにおいてメディカルサポートを実施してきた。我々の活動は第7救護所を訪れたランナーに対して処置を実施した。そこでサポート記録の集計を行い,奈良マラソンでの本委員会の活動を報告することを目的とした。
【活動報告】
我々が待機していた第7救護所(往路18.5km,復路31.5km)を訪れたランナーに対してまずトリアージを行ない,創傷の処置や重度な低体温症などに対しては医師や看護師の救護を依頼し,筋軟部組織や関節の症状に対しては我々理学療法士が対応をした。その結果,理学療法士が対応したランナーは3年間の総勢で175名であった。事前にサポート記録用紙を作成し,疼痛部位と症状を問診し,処置内容を記録した。我々の一番の目的はランナーがマラソンへ戻れるように対応することであり,ランナーに対して,問診や触診などの評価から適切な処置を選択し実施した。
【考察】
我々は過去3年間の奈良マラソンでのメディカルサポートを実施してきた。ランナーの訴えは下肢の疼痛が最も多く,またマラソン時に発生した急性痛が多い結果となった。ランナーはマラソンに戻るために短い時間で対応することを望まれており,理学療法士間での偏りがない技術や知識が必要であると考えられる。また,テーピングの処置も多く大会前後での勉強会などの実施も必要であると考えられ今後の活動として実施していく。
【結論】
奈良マラソンのような大きなマラソン大会においてランナーが安全なレースを行えるためには,我々の救護活動が必要であり今後も継続して実施していくべきであると考える。