第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター9

地域包括ケア

2015年6月6日(土) 13:50 〜 14:50 ポスター会場 (展示ホール)

座長:秋田裕(公益社団法人神奈川県理学療法士会事務所)

[P2-0390] 職能力をアップさせる地域ケア会議と予防事業への積極的な関わり

―大分県理学療法士協会における地域包括ケアシステムへの取り組み―

竹村仁 (公益社団法人大分県理学療法士協会)

キーワード:地域ケア会議, 予防事業, 地域包括ケアシステム

【目的】
大分県の主導により平成24年度から地域ケア会議が開催され,県内各地で助言者として会員を派遣している。この地域ケア会議を軸として進化している大分県の地域包括ケアシステム構築に向けた当会の取り組みについて報告する。

【活動報告】
平成24年度大分県ではモデル3市で地域ケア会議を開催し,当会を含めた職能団体(理学,作業,栄養,歯科衛生)の全面協力のもと助言者として専門職の派遣が開始された。地域ケア会議はこの年延べ112回開催され,61名を当会より派遣した。平成25年度にはさらに大分市を除く17市町村すべてで延べ322回の地域ケア会議が開催され,164名の派遣を行っている。平成26年度には大分市でも開始され,延べ350回程度,180名程の派遣が予想されており,地区ごとの理学療法士等を支援するためにリーディングアドバイザー(助言者支援)5名,リーディングコーディネーター(ケア会議司会を務める)3名の登録も行っている。スキルアップ研修会も3回/年ずつ開催を続けている。
また,ケア会議に出席し通所サービス事業などの事業所毎の体力評価指標のずれ,および一般病院との評価の一貫性について改善を図るべく,さらに,介護予防事業において標準化した運動指導が行えることを目的として「結果のだせるトレーニングマニュアル―実践者向け指導者ガイド―」を作成し,事業所の質および介護予防事業での質の担保を図っている。

【考察】
これらの取り組みは,県および地域行政との結びつきを強くし,市町村毎それぞれの地域課題の解決のため,新たなサービスへの依頼へと繋がっている。それらに対して柔軟にまさに“今”応えていくことが,社会に必要とされる理学療法士組織となり得ると考えている。

【結論】
地域ケア会議および予防事業への取り組みは,確実にわれわれを成長させ,地域社会の中で果たす役割を大きく進化させる好機である。