[P2-A-0396] 息切れによりADLが低下していた症例に理学療法を行った一考察
Keywords:息切れ, 循環器疾患, 呼吸器疾患
【目的】
ADLの制限因子として息切れを呈す場合があり,息切れの原因が判別困難なケースが多い。今回理学療法評価と医学的管理を行い息切れが改善しADL向上が認められた症例の理学療法を経験したので報告する。
【症例提示】
72歳男性。診断名は脳出血後遺症後。現病歴は平成26年4月に左前頭葉皮質下出血を発症し,開頭内視鏡下血腫除去術を施行。同年6月リハビリ目的で当院入院となった。既往歴は慢性閉塞性肺疾患(COPD),慢性心房細動(AF)があり,薬物療法(テノーミン,ハーフジゴキシン,ワーファリン)を行っていた。
【経過と考察】
ブルーンストロームステージは上肢・手指・下肢共にVIレベルで著明な感覚障害はなし。運動性失語あり。心エコー検査にてEF63%。歩行は歩行補助具なしで自立レベルであったが,軽労作でも息切れが認められ,階段昇降は不可能であり,当初COPDによる息切れと思われた。しかし6分間歩行テスト(6MD)は240mで収縮期血圧は90~100mmHg台,SpO2は97~98%と低下はなかったが,心拍数(HR)70~80bpm台(AF)から歩行後はHR120~130bpmと上昇し,階段昇降後はHR150~160bpm台となった。以上より息切れの原因は頻脈によるものと推測し,医師と相談の上β遮断薬の変更がなされた。その後労作時の軽度息切れは残存したが,6MDでは370mと歩行距離は拡大し,階段昇降も可能な状態となり運動耐容能は向上した。本症例の息切れの原因は頻脈性心房細動によるものが大きく影響していたと思われた。息切れの理学所見から推測して適切な医学的管理を医師と相談した。また,呼吸指導・ADL動作指導を行うとともに,心電図モニターを装着しHRをモニタリングし,自覚症状に合わせた運動負荷量の設定を行った。適切なリスク管理のもと理学療法を実施した結果,ADLの向上が図れたものと考える。
ADLの制限因子として息切れを呈す場合があり,息切れの原因が判別困難なケースが多い。今回理学療法評価と医学的管理を行い息切れが改善しADL向上が認められた症例の理学療法を経験したので報告する。
【症例提示】
72歳男性。診断名は脳出血後遺症後。現病歴は平成26年4月に左前頭葉皮質下出血を発症し,開頭内視鏡下血腫除去術を施行。同年6月リハビリ目的で当院入院となった。既往歴は慢性閉塞性肺疾患(COPD),慢性心房細動(AF)があり,薬物療法(テノーミン,ハーフジゴキシン,ワーファリン)を行っていた。
【経過と考察】
ブルーンストロームステージは上肢・手指・下肢共にVIレベルで著明な感覚障害はなし。運動性失語あり。心エコー検査にてEF63%。歩行は歩行補助具なしで自立レベルであったが,軽労作でも息切れが認められ,階段昇降は不可能であり,当初COPDによる息切れと思われた。しかし6分間歩行テスト(6MD)は240mで収縮期血圧は90~100mmHg台,SpO2は97~98%と低下はなかったが,心拍数(HR)70~80bpm台(AF)から歩行後はHR120~130bpmと上昇し,階段昇降後はHR150~160bpm台となった。以上より息切れの原因は頻脈によるものと推測し,医師と相談の上β遮断薬の変更がなされた。その後労作時の軽度息切れは残存したが,6MDでは370mと歩行距離は拡大し,階段昇降も可能な状態となり運動耐容能は向上した。本症例の息切れの原因は頻脈性心房細動によるものが大きく影響していたと思われた。息切れの理学所見から推測して適切な医学的管理を医師と相談した。また,呼吸指導・ADL動作指導を行うとともに,心電図モニターを装着しHRをモニタリングし,自覚症状に合わせた運動負荷量の設定を行った。適切なリスク管理のもと理学療法を実施した結果,ADLの向上が図れたものと考える。