[P2-A-0448] 循環器専門病院における地域包括ケア病棟専従理学療法士の役割
Keywords:循環器, 地域包括ケア, 専従理学療法士
【目的】
2014年4月1日より,地域包括ケアシステムの運用が開始された。地域包括ケア病棟について施設基準はあるが,各病院の取り組みは様々であると推測される。循環器専門病院である当院でも,9月から運用を開始している。対象疾患の内訳と1症例を振り返り,当院における地域包括ケア病棟専従理学療法士(専従PT)の役割について検討したので報告する。
【方法】
地域包括ケア病棟に入院した患者49名について,疾患名・循環器疾患の割合を,カルテから後方視的に調査した。また症例を示すにあたり,Barthel Index(BI)を用いて入院時と退院時の日常生活動作を比較した。
【結果と考察】
対象患者のうち,心大血管でのリハビリテーション(リハ)介入者は25名(51%)であった。その他運動器疾患などのリハ介入者は24名(49%)であったが,そのうち心血管の手術経験や心疾患の既往がある患者は12名であり,全体では37名(75%)の患者が循環器に対するリスク管理を必要とした。
以下に症例を示す。
大腿骨頸部骨折術後の70歳代女性,既往にペースメーカー挿入があった。入院時BNPは139.6であり,X線検査で胸水貯留を認め,心不全状態であった。そのため疾患別リハ担当と協力し,看護師と密に連絡を取って体重管理などを行い,心不全増悪に注意しリハを進めた。体重が40.0kg→36.0kgとなり心不全が改善された後,作業療法士とともに集団レクリエーションへの参加を促し,離床時間を確保した。入院期間はBIは入院時30点→退院時85点であった。
当院は心大血管の術後や心疾患の既往をもつ患者が大部分を占める。治療により症状が改善された後も,心不全をはじめとした合併症の再発を防ぎながらリハを進める必要がある。専従PTの役割として,ソーシャルワーカーや看護師との連携による退院支援がある。しかし当院の場合は加えてリスク管理を主とした医学管理を行う必要があり,そのために担当医との情報交換や状態把握も重要であると考える。
2014年4月1日より,地域包括ケアシステムの運用が開始された。地域包括ケア病棟について施設基準はあるが,各病院の取り組みは様々であると推測される。循環器専門病院である当院でも,9月から運用を開始している。対象疾患の内訳と1症例を振り返り,当院における地域包括ケア病棟専従理学療法士(専従PT)の役割について検討したので報告する。
【方法】
地域包括ケア病棟に入院した患者49名について,疾患名・循環器疾患の割合を,カルテから後方視的に調査した。また症例を示すにあたり,Barthel Index(BI)を用いて入院時と退院時の日常生活動作を比較した。
【結果と考察】
対象患者のうち,心大血管でのリハビリテーション(リハ)介入者は25名(51%)であった。その他運動器疾患などのリハ介入者は24名(49%)であったが,そのうち心血管の手術経験や心疾患の既往がある患者は12名であり,全体では37名(75%)の患者が循環器に対するリスク管理を必要とした。
以下に症例を示す。
大腿骨頸部骨折術後の70歳代女性,既往にペースメーカー挿入があった。入院時BNPは139.6であり,X線検査で胸水貯留を認め,心不全状態であった。そのため疾患別リハ担当と協力し,看護師と密に連絡を取って体重管理などを行い,心不全増悪に注意しリハを進めた。体重が40.0kg→36.0kgとなり心不全が改善された後,作業療法士とともに集団レクリエーションへの参加を促し,離床時間を確保した。入院期間はBIは入院時30点→退院時85点であった。
当院は心大血管の術後や心疾患の既往をもつ患者が大部分を占める。治療により症状が改善された後も,心不全をはじめとした合併症の再発を防ぎながらリハを進める必要がある。専従PTの役割として,ソーシャルワーカーや看護師との連携による退院支援がある。しかし当院の場合は加えてリスク管理を主とした医学管理を行う必要があり,そのために担当医との情報交換や状態把握も重要であると考える。