[P2-A-0453] リハビリテーションにおける感染対策の実態調査
~長崎市内急性期病院の療法士を対象としたアンケート調査~
Keywords:感染対策, 手指衛生, 個人防護具
【目的】リハビリテーション(以下,リハ)は,各種治療や基本動作練習の際に患者と療法士の身体接触が多く,またリハビリテーション室(以下,リハ室)においては,患者同士が同一フロアを利用し器具などを共有する。このため患者間や療法士から交差感染するリスクが高い状態にあると考えられる。そこで院内感染を予防するため,リハにおける感染対策について検討する必要があると考えた。
【方法】1.リハを行う上での感染対策の現状について,長崎市内の急性期病院8施設の理学療法士(以下,PT)104名・作業療法士(以下,OT)29名の合計133名を対象にアンケート調査を実施した。2.アンケート調査を元に,リハにおける感染対策について分析した。
【結果と考察】アンケート調査の結果,PT85名,OT23名の合計108名から回答があり,回答率は81.2%であった。アンケート内容では,手指衛生に関してアルコール手指消毒剤をすぐに使用するための工夫を行い使用できているのが16.7%であり,療法士が手指衛生をすぐに行える環境にないことが分かった。また患者がリハ室に入室する際に手指衛生を行っているのが9.3%,退室時では7.4%といずれも低い結果であった。個人防護具の着脱する順番に関しては,個人防護具を装着する手順の正答率は38.9%であったのに対し,外す手順の正答率は13%と低くなっていた。また感染症別での個人防護具の選択については,尿からESBL産生菌が検出されている患者に対して,療法士が使用する個人防護具が分からないと答えたのが最も多く22.2%であった。以上の結果より,リハにおける感染対策では,手指衛生と個人防護具の使用に関して課題があることが分かった。リハでは接触感染により病原体が伝播する可能性があるため,療法士と患者双方の手指衛生の徹底が必要である。また個人防護具の正しい着脱方法の習得と,感染症別の個人防護具の選択について標準化したマニュアルの作成が必要である。
【方法】1.リハを行う上での感染対策の現状について,長崎市内の急性期病院8施設の理学療法士(以下,PT)104名・作業療法士(以下,OT)29名の合計133名を対象にアンケート調査を実施した。2.アンケート調査を元に,リハにおける感染対策について分析した。
【結果と考察】アンケート調査の結果,PT85名,OT23名の合計108名から回答があり,回答率は81.2%であった。アンケート内容では,手指衛生に関してアルコール手指消毒剤をすぐに使用するための工夫を行い使用できているのが16.7%であり,療法士が手指衛生をすぐに行える環境にないことが分かった。また患者がリハ室に入室する際に手指衛生を行っているのが9.3%,退室時では7.4%といずれも低い結果であった。個人防護具の着脱する順番に関しては,個人防護具を装着する手順の正答率は38.9%であったのに対し,外す手順の正答率は13%と低くなっていた。また感染症別での個人防護具の選択については,尿からESBL産生菌が検出されている患者に対して,療法士が使用する個人防護具が分からないと答えたのが最も多く22.2%であった。以上の結果より,リハにおける感染対策では,手指衛生と個人防護具の使用に関して課題があることが分かった。リハでは接触感染により病原体が伝播する可能性があるため,療法士と患者双方の手指衛生の徹底が必要である。また個人防護具の正しい着脱方法の習得と,感染症別の個人防護具の選択について標準化したマニュアルの作成が必要である。