[P2-A-0762] リハビリスタッフにおける接遇能力向上のための取り組み
接遇課題に対する回答形式の導入
Keywords:接遇, サービス向上, 人財育成
【はじめに】医療や介護はサービス業であり患者・利用者またその家族に対する接遇が必要であるという考え方は周知のことである。また選ばれる医療機関・施設となるための接遇に対する取り組みも行われている。その効果は患者・利用者からの多様なニーズに応えるかたちで発揮され,患者・利用者の確保や満足度に反映される。その為,接遇への取り組みは人財育成への道具立てとして位置づけることができると考える。接遇に対する意識を継続的に持続し,主体的に考えることが重要なことである。そこで今回,効果的な接遇向上を目的として接遇への課題設定を行い,考え,共有することを目的とした取り組みを行い,その前後での意識変化をアンケートにて検討した。
【方法】対象はリハビリ科スタッフ8名(平均経験年数6.5±4.2年)。方法は接遇課題への取り組み期間は6ヶ月間として,リハビリ科ミーティングの時間を利用し,月に2回程度行った。その中で接遇に関する課題を提示し,スタッフに回答してもらった。回答した内容を発表し,回答に対する検討を行った。課題はサービス接遇検定実問題より抜粋した。取り組み前後に接遇への意識調査と取り組みに対してのアンケートを行った。また各設問に対する自由記載を設定した。接遇への意識調査は設問6項目を作成し,5段階にて評価を行った。非常にある=5点,まあまあある=4点,ある=3点,あまりない=2点,ない=1点とし得点化した。設問は1,接遇への関心・興味はありますか?2,接遇は心掛けていますか?3,接遇について学びたいと思いますか?4,接遇はリハビリスタッフについて必要だと思いますか?5,接遇について工夫や努力がありますか?6,接遇が活かされていますか?とした。取り組みへの評価は3項目を作成し,同様に得点化した。設問は1,接遇の取り組みは良かったと思いますか?2,このような接遇の取り組みを続けていきたいと思いますか?3,自分のためになりましたか?とした。取り組みへの評価の中に自由記載として接遇を身につけていくために必要なことは何だと思いますか?を追加した。分析方法は各設問での得点化したものを累積し総合得点とし,取り組み前後での比較を行った。取り組みへの評価にても同様に行った。各項目の最高得点を40点,最低得点を8点とした。また自由記載を取りまとめ,具体的内容として反映させた。
【結果】
アンケートの結果として設問1,設問3(p<0.05)と設問4,設問5(p<0.01)にて有意差が認められた。取り組み評価については設問1,40点,設問2,36点,設問3,38点であった。
【考察】
今回,接遇課題を提示し,回答および発表することにより他のスタッフの考えを共有する目的で接遇に対する取り組みを行った。またその前後での意識変化を確認するためのアンケートおよび取り組みについての評価を行ってもらった。設問1,3の結果より接遇に対する意識がより高まったと言える。設問5,6より意識の高まりと同時により具体的に取り組む意識が向上したことも伺えた。自由記載からも工夫や努力に対する具体的な意見や活かし方についての各スタッフの考え方がより顕在化された記載が認められた。設問2,4について取り組み前後での差が認められなかったのは心掛けや接遇の必要性は認識されているため差が出なかったと言える。自由記載からも出来てなければいけない,出来て当たり前という記載からも接遇の重要性は認識していると言える。今回の取り組みに対する評価は得点からみて肯定的な評価だと言える。特に設問1,3については得点も高く,課題設定をして回答し,発表することで他のスタッフの意見が聞けて接遇に対する情報共有ができたことやより具体的な内容で実践的で良かったとの記載が多くあった。このことは定型的な接遇への取り組みを設定し,フィードバックを行うといった内容ではなく,スタッフ自身の接遇に対する主体的な気づきを促す機能を強化することへ反映できた結果だと言える。今後,医療や介護のマーケットは拡がりをみせ,サービス化が進展する中で他職種や他分野の方たちとの連携や協業もより重要になり,接遇への取り組みもより能動的にならなくてはいけないと考える。今回の取り組みはその一端として,望まれる行動への定着化に向けての継続が必要だと考える。
【理学療法研究としての意義】
本研究より接遇の重要性や必要性をより認識し,人財育成や行動の定着化に向けての取り組みについて具体的な方法を提示できたことは療法士自身の価値を高めていく上で意義が高いと言える。
【方法】対象はリハビリ科スタッフ8名(平均経験年数6.5±4.2年)。方法は接遇課題への取り組み期間は6ヶ月間として,リハビリ科ミーティングの時間を利用し,月に2回程度行った。その中で接遇に関する課題を提示し,スタッフに回答してもらった。回答した内容を発表し,回答に対する検討を行った。課題はサービス接遇検定実問題より抜粋した。取り組み前後に接遇への意識調査と取り組みに対してのアンケートを行った。また各設問に対する自由記載を設定した。接遇への意識調査は設問6項目を作成し,5段階にて評価を行った。非常にある=5点,まあまあある=4点,ある=3点,あまりない=2点,ない=1点とし得点化した。設問は1,接遇への関心・興味はありますか?2,接遇は心掛けていますか?3,接遇について学びたいと思いますか?4,接遇はリハビリスタッフについて必要だと思いますか?5,接遇について工夫や努力がありますか?6,接遇が活かされていますか?とした。取り組みへの評価は3項目を作成し,同様に得点化した。設問は1,接遇の取り組みは良かったと思いますか?2,このような接遇の取り組みを続けていきたいと思いますか?3,自分のためになりましたか?とした。取り組みへの評価の中に自由記載として接遇を身につけていくために必要なことは何だと思いますか?を追加した。分析方法は各設問での得点化したものを累積し総合得点とし,取り組み前後での比較を行った。取り組みへの評価にても同様に行った。各項目の最高得点を40点,最低得点を8点とした。また自由記載を取りまとめ,具体的内容として反映させた。
【結果】
アンケートの結果として設問1,設問3(p<0.05)と設問4,設問5(p<0.01)にて有意差が認められた。取り組み評価については設問1,40点,設問2,36点,設問3,38点であった。
【考察】
今回,接遇課題を提示し,回答および発表することにより他のスタッフの考えを共有する目的で接遇に対する取り組みを行った。またその前後での意識変化を確認するためのアンケートおよび取り組みについての評価を行ってもらった。設問1,3の結果より接遇に対する意識がより高まったと言える。設問5,6より意識の高まりと同時により具体的に取り組む意識が向上したことも伺えた。自由記載からも工夫や努力に対する具体的な意見や活かし方についての各スタッフの考え方がより顕在化された記載が認められた。設問2,4について取り組み前後での差が認められなかったのは心掛けや接遇の必要性は認識されているため差が出なかったと言える。自由記載からも出来てなければいけない,出来て当たり前という記載からも接遇の重要性は認識していると言える。今回の取り組みに対する評価は得点からみて肯定的な評価だと言える。特に設問1,3については得点も高く,課題設定をして回答し,発表することで他のスタッフの意見が聞けて接遇に対する情報共有ができたことやより具体的な内容で実践的で良かったとの記載が多くあった。このことは定型的な接遇への取り組みを設定し,フィードバックを行うといった内容ではなく,スタッフ自身の接遇に対する主体的な気づきを促す機能を強化することへ反映できた結果だと言える。今後,医療や介護のマーケットは拡がりをみせ,サービス化が進展する中で他職種や他分野の方たちとの連携や協業もより重要になり,接遇への取り組みもより能動的にならなくてはいけないと考える。今回の取り組みはその一端として,望まれる行動への定着化に向けての継続が必要だと考える。
【理学療法研究としての意義】
本研究より接遇の重要性や必要性をより認識し,人財育成や行動の定着化に向けての取り組みについて具体的な方法を提示できたことは療法士自身の価値を高めていく上で意義が高いと言える。