第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

症例研究 ポスター10

生活環境支援/福祉用具・地域在宅1

2015年6月6日(土) 13:50 〜 14:50 ポスター会場 (展示ホール)

[P2-B-0419] 訪問リハ介入から活動と参加の拡大を目指す!!

実践練習と他職種や家族の協力を得て

桑山浩明 (医療法人財団樹徳会上ヶ原病院)

キーワード:訪問リハ, 他職種, 家族

【目的】訪問リハ介入により,徒手的なアプローチを行うことなく,実践練習の繰り返しと他職種や家族の協力を得ることにより,機能回復は得られなかったが,活動範囲の拡大と参加の向上が促せた症例を経験したので報告する。
【症例提示】60代前半女性,脳梗塞左片麻痺,BRST上肢II,下肢III,手指II,ゲートソリューション使用にて,自宅内四脚杖歩行,屋外車椅子使用。風呂の改修ができておらず,デイサービスにて入浴。訪問リハ週2回。デイサービス週2回利用。マンション内一人暮らしで,敷地内別棟に娘さん夫婦が住んでいる。
【経過と考察】初回問題点として,浴室への出入りと歩行の問題点が抽出され,装具を外して,ドア枠を握っての出入り可能かどうかを検討。痙性の出現により,立位が不安定になるものの,膝屈曲位であれば,出入り可能であることを確認し,シャワーのみ可能とする。(娘さんの監視の下)後日,手すり設置を検討。屋外歩行や不整地歩行では経験が少なく恐怖心が強くなっていたため,デイサービスの送迎も含めて,歩く機会を増やしてもらうことを担当者会議にて統一。当面の目標として,マンション周り一周を30分程度の歩行可能レベルとした。週4回の歩行距離を確保,自宅内での歩行機会として,ベランダへの出入りや玄関の開け閉めなど,日常での動作方法の検討しつつ,必要ならば手すりや台の設置などを行い,方法の獲得などを中心にアプローチしてきた。体力面の改善や方法への慣れが生じることにより時間の短縮した。コンビニやスーパーへの買い物は,歩行速度などの改善からヘルパー利用で行ってもらうこととし,公共交通機関への利用では,ヘルパーとともに同行し確認を行っていった。基本,訪問理学療法士は,動作レベルでの評価を行い,その可能性を本人・家族や他職種へ伝えることで,実際に行ってもらいながら,進めることで本人の活動範囲と参加への促しが可能であったと考える。