[P2-B-0440] 左大腿骨頭壊死による脚長差患者への後方歩行と補高の介入
~ベッドから洗面台への移動獲得のHOPEからの提案~
キーワード:大腿骨頭壊死症, 生活範囲, 大腿直筋
【目的】
病棟での自立度は身体機能と移動能力によって影響される。前方歩行が困難な患者のベッド周囲の移動をしたいと強いHOPEがあり,残存機能から考え後方歩行の介入を行った。HOPEである移動範囲の拡大に向けた移動手段の検討を報告する。
【症例提示】
自宅玄関にて転倒され歩行困難となった78歳,女性。身長140.0cm,体重40.0kg。HDS-R28点。既往に右下腿骨折,多発性圧迫骨折,両頭骨遠位端骨折があった。16年前に転倒して左大腿骨頚部骨折後に固定術施行後,大腿骨頭壊死となった。大腿骨頭壊死症の病期分類stage4,病型分類typeC-2。自宅での生活は独居,頻繁に転倒を繰り返していた。病棟の生活では,「一人暮らしだから,一人でなるべく行えるようになりたい」と強いHOPEがあった。初期の問題点は,骨頭壊死の影響により背臥位で左下肢40mmの短縮,立位では重度右外反膝(右FTA160°)。股関節屈曲はMMT右3,左1であった。
【経過と考察】
入院4日後方歩行練習開始。入院7日後方歩行によりベッド周囲伝い歩き可能,2m離れた洗面台に椅子を設置して歯磨き・洗顔動作が自立。入院20日病棟内歩行車自立され病室外での余暇時間が増加。左下肢40mmの短縮であり左下肢に十分に荷重できず,右下肢の振り出し困難さが残存したため,12mmのインソールを左足底に挿入。片手支持片脚立ちが可能となった。入院20日10m歩行車歩行は19秒25歩。補高12mm歩行車歩行は13秒20歩。入院28日目施設へ転院。
大腿骨頭壊死により,小転子と腸骨稜間距離が短縮し左腸腰筋の筋張力が低下。介入初期は両大臀筋の筋力はMMT3あり後方歩行のみ可能であった。後方歩行を行ない腸腰筋・大腿直筋の共同収縮・遠心性収縮の促通した。前方歩行時に左腸腰筋の代替として左大腿直筋による振り出しが可能となったと考える。実際の生活場面でのリハビリを行うことで問題点と改善策が明確になり,残存機能により生活範囲の拡大ができたと考える。
病棟での自立度は身体機能と移動能力によって影響される。前方歩行が困難な患者のベッド周囲の移動をしたいと強いHOPEがあり,残存機能から考え後方歩行の介入を行った。HOPEである移動範囲の拡大に向けた移動手段の検討を報告する。
【症例提示】
自宅玄関にて転倒され歩行困難となった78歳,女性。身長140.0cm,体重40.0kg。HDS-R28点。既往に右下腿骨折,多発性圧迫骨折,両頭骨遠位端骨折があった。16年前に転倒して左大腿骨頚部骨折後に固定術施行後,大腿骨頭壊死となった。大腿骨頭壊死症の病期分類stage4,病型分類typeC-2。自宅での生活は独居,頻繁に転倒を繰り返していた。病棟の生活では,「一人暮らしだから,一人でなるべく行えるようになりたい」と強いHOPEがあった。初期の問題点は,骨頭壊死の影響により背臥位で左下肢40mmの短縮,立位では重度右外反膝(右FTA160°)。股関節屈曲はMMT右3,左1であった。
【経過と考察】
入院4日後方歩行練習開始。入院7日後方歩行によりベッド周囲伝い歩き可能,2m離れた洗面台に椅子を設置して歯磨き・洗顔動作が自立。入院20日病棟内歩行車自立され病室外での余暇時間が増加。左下肢40mmの短縮であり左下肢に十分に荷重できず,右下肢の振り出し困難さが残存したため,12mmのインソールを左足底に挿入。片手支持片脚立ちが可能となった。入院20日10m歩行車歩行は19秒25歩。補高12mm歩行車歩行は13秒20歩。入院28日目施設へ転院。
大腿骨頭壊死により,小転子と腸骨稜間距離が短縮し左腸腰筋の筋張力が低下。介入初期は両大臀筋の筋力はMMT3あり後方歩行のみ可能であった。後方歩行を行ない腸腰筋・大腿直筋の共同収縮・遠心性収縮の促通した。前方歩行時に左腸腰筋の代替として左大腿直筋による振り出しが可能となったと考える。実際の生活場面でのリハビリを行うことで問題点と改善策が明確になり,残存機能により生活範囲の拡大ができたと考える。