第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

調査研究 ポスター5

院内の取り組み

2015年6月6日(土) 13:50 〜 14:50 ポスター会場 (展示ホール)

[P2-B-0457] 入院期間中のADL変化と健康関連QOLの関連

山本喜美夫1, 鵜澤吉宏1,2, 村永信吾2 (1.鉄蕉会亀田総合病院リハビリテーション室, 2.医療法人鉄蕉会医療管理本部リハビリテーション事業管理部)

キーワード:健康関連QOL, 日常生活活動, リハビリテーション

【目的】入院期間中の日常生活活動(以後ADL)向上が健康関連QOL向上に寄与するか実態を把握すること。
【方法】2014年9月1日から2014年10月31日を調査期間とした。対象は調査期間中に当院に入退院した18歳以上の疾患別リハビリテーション(以後リハビリ)患者とした。リハビリの開始時および終了時に,ADL項目としてBarthel Index(以後BI),Functional Independent Measure(以後FIM),健康関連QOL項目としてEuroQOL-5-Dimension 3-Level(以後EQ-5D-3L)を調査し,全項目調査ができた患者のみを分析対象とした。EQ-5D-3Lは日本の効用値換算表を用いて効用値変換した。リハビリの開始時と終了時の差分(終了時-開始時)を,各々⊿BI,⊿FIM,⊿EQ-5D効用値と定義し,⊿BIと⊿EQ-5D効用値,⊿FIMと⊿EQ-5D効用値の関連をスピアマン相関係数で統計解析した。統計学的有意水準は5%とした。
【結果と考察】調査期間中に疾患別リハビリを提供した患者は658名で,全項目調査が可能であった患者は173名(分析対象26.29%)であった。疾患別リハビリの内訳は,心大血管疾患リハビリ17名,脳血管疾患等リハビリ19名,運動器リハビリ78名,呼吸器リハビリ47名,がん患者リハビリ12名であった。⊿BIと⊿EQ-5D効用値の相関係数は0.581(p<0.001),⊿FIMと⊿EQ-5D効用値の相関係数は0.597(p<0.001)で,ADL項目の差分とQOL項目の差分に中程度の正相関がみられた。
入院期間中のADL向上は主観的評価である健康関連QOLの向上に寄与することが示唆された。リハビリテーションの介入目標にADL向上を位置づけることは健康関連QOL向上の視点で重要であると考えられた。