[P2-C-0435] 両肩リバース型人工肩関節置換術を施行した症例に対する理学療法の経験
キーワード:両肩リバース型人工肩関節置換術, 自動運動開始時期, 拘縮
【目的】リバース型人工肩関節置換術(以下rTSA)は,2014年4月より日本でも開始となったが,本邦における理学療法経過の報告を散見しない。そこで今回,両肩rTSAを施行した症例に対し,術後の理学療法を経験し,若干の知見を得たので報告する。
【症例提示】80歳代男性,両肩腱板断裂を認め,挙上困難を主訴に2010年12月に左肩鏡視下腱板修復術を施行したが,機能回復を認めず。右肩関節は経過観察としてきたが,徐々に挙上困難となり,2014年4月に右rTSAを,その後同年8月に左rTSAを施行した。
【経過と考察】右肩関節は,海外文献を参考に,左肩関節は,右肩関節のプロトコールに修正を加えたプロトコールで実施した。術後は三角巾・バストバンド固定とした。右肩関節は,術後2週より振り子運動・他動挙上を90°より開始した。術後5週より自動運動を開始した。左肩関節は,術後2週より他動挙上・自動介助運動を開始,術後3週よりバストバンド除去し,自動運動を開始した。三角巾は術後4週より除去した。
右肩関節術前の関節可動域(以下ROM)は,挙上は自動40°,他動130°,日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOA score)は68点。術後8週で自動挙上の回復を認めず,JOA scoreは57点,術後12週より回復を認め始め,自動挙上90°,JOA scoreは62点,術後24週時では自動挙上140°,JOA scoreは87点。左肩関節術前のROMは,挙上は自動40°,他動90°,JOA scoreは68点,術後8週で自動挙上の回復を認めず,JOA scoreは57点,現在もリハビリ通院中である。
今回の症例では,術後8週時での左右差を認めなかった。術前の拘縮を認めれば,自動運動開始時期を早めても早期の機能回復が図れるとは言えない。また,術前の拘縮を認めなくても,自動運動開始時期が遅ければ,早期の機能回復が図れるとも言えない。今後は,術前の拘縮を認めず,自動運動開始時期を早めた症例を経験し,プロトコールの確立を図っていきたい。
【症例提示】80歳代男性,両肩腱板断裂を認め,挙上困難を主訴に2010年12月に左肩鏡視下腱板修復術を施行したが,機能回復を認めず。右肩関節は経過観察としてきたが,徐々に挙上困難となり,2014年4月に右rTSAを,その後同年8月に左rTSAを施行した。
【経過と考察】右肩関節は,海外文献を参考に,左肩関節は,右肩関節のプロトコールに修正を加えたプロトコールで実施した。術後は三角巾・バストバンド固定とした。右肩関節は,術後2週より振り子運動・他動挙上を90°より開始した。術後5週より自動運動を開始した。左肩関節は,術後2週より他動挙上・自動介助運動を開始,術後3週よりバストバンド除去し,自動運動を開始した。三角巾は術後4週より除去した。
右肩関節術前の関節可動域(以下ROM)は,挙上は自動40°,他動130°,日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下JOA score)は68点。術後8週で自動挙上の回復を認めず,JOA scoreは57点,術後12週より回復を認め始め,自動挙上90°,JOA scoreは62点,術後24週時では自動挙上140°,JOA scoreは87点。左肩関節術前のROMは,挙上は自動40°,他動90°,JOA scoreは68点,術後8週で自動挙上の回復を認めず,JOA scoreは57点,現在もリハビリ通院中である。
今回の症例では,術後8週時での左右差を認めなかった。術前の拘縮を認めれば,自動運動開始時期を早めても早期の機能回復が図れるとは言えない。また,術前の拘縮を認めなくても,自動運動開始時期が遅ければ,早期の機能回復が図れるとも言えない。今後は,術前の拘縮を認めず,自動運動開始時期を早めた症例を経験し,プロトコールの確立を図っていきたい。