[P2-C-0447] 骨盤骨肉腫術後感染により液体窒素処理骨および人工股関節抜去した症例の歩行獲得にむけた理学療法
Keywords:骨盤骨肉腫, Flail hip, 荷重
【目的】骨盤骨肉腫に対する患肢温存術後の理学療法報告を散見するが,Flail hipの状態で歩行可能となった症例に関する詳細な報告は見られない。今回,骨盤骨肉腫に対する患肢温存術後,感染により液体窒素処理骨および人工股関節抜去した症例がFlail hipの状態で歩行可能となった理学療法経過を報告する事で,今後Flail hip症例の理学療法施行の一助となることを目的とする。
【症例提示】31歳男性,左骨盤骨肉腫。1病日に当院転院し,生検術にて骨肉腫の診断あり。3病日よりカフェイン併用化学療法7クール施行。148病日に左骨盤腫瘍切除術,液体窒素処理骨移植・人工股関節置換術施行。直腸穿孔により154病日人工肛門造設術,162病日に上行結腸穿孔に対して再手術施行。感染により,174病日に液体窒素処理骨・人工股関節抜去となった。度重なる手術のため精神的不安定となり,再手術せず216病日より術後化学療法5クール施行。化学療法終了後,343病日に重粒子線治療のため転院し,治療終了後374病日に当院転院となった。
【経過と考察】理学療法開始時,左腸骨・坐骨・恥骨・大腿骨頭が抜去された状態であった。また精神的不安定で起死念慮があり,理学療法は気分転換の車いす移乗が中心であった。術後化学療法,重粒子線治療終了時は精神的に安定し,退院に向けて意欲的となった。当院転院時にはFlail hipである左骨盤・大腿骨頭抜去部は8cmの補高により平行棒内立位時に荷重支持可能であった。8cmの補高は歩行時重量が問題となると考えたが,患肢荷重可能となることは体重支持の上で力学的に有利であり,歩行時の立脚期の安定に繋がった。385病日には平行棒内歩行が可能となり,本人の満足度は高い。Flail hipに関しては,骨性支持のない,ほぼ軟部組織のみの荷重であっても,50%程度の患肢機能は残存したとの報告がある。本症例においてもFlail hipである患肢は補高により軟部組織を介して体重支持の機能があり,上肢支持下で歩行が可能となったと考える。
【症例提示】31歳男性,左骨盤骨肉腫。1病日に当院転院し,生検術にて骨肉腫の診断あり。3病日よりカフェイン併用化学療法7クール施行。148病日に左骨盤腫瘍切除術,液体窒素処理骨移植・人工股関節置換術施行。直腸穿孔により154病日人工肛門造設術,162病日に上行結腸穿孔に対して再手術施行。感染により,174病日に液体窒素処理骨・人工股関節抜去となった。度重なる手術のため精神的不安定となり,再手術せず216病日より術後化学療法5クール施行。化学療法終了後,343病日に重粒子線治療のため転院し,治療終了後374病日に当院転院となった。
【経過と考察】理学療法開始時,左腸骨・坐骨・恥骨・大腿骨頭が抜去された状態であった。また精神的不安定で起死念慮があり,理学療法は気分転換の車いす移乗が中心であった。術後化学療法,重粒子線治療終了時は精神的に安定し,退院に向けて意欲的となった。当院転院時にはFlail hipである左骨盤・大腿骨頭抜去部は8cmの補高により平行棒内立位時に荷重支持可能であった。8cmの補高は歩行時重量が問題となると考えたが,患肢荷重可能となることは体重支持の上で力学的に有利であり,歩行時の立脚期の安定に繋がった。385病日には平行棒内歩行が可能となり,本人の満足度は高い。Flail hipに関しては,骨性支持のない,ほぼ軟部組織のみの荷重であっても,50%程度の患肢機能は残存したとの報告がある。本症例においてもFlail hipである患肢は補高により軟部組織を介して体重支持の機能があり,上肢支持下で歩行が可能となったと考える。