第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

調査研究 ポスター6

教育/産業

Sat. Jun 6, 2015 4:10 PM - 5:10 PM ポスター会場 (展示ホール)

[P2-C-0467] 当院リハビリテーションスタッフにおける腰痛発生因子の調査研究

山出宏一1, 松浦和文1, 椋木裕康1, 上野正寛1, 松村直樹1, 川端悠士2, 加藤圭彦3 (1.山口リハビリテーション病院, 2.JA山口厚生連周東総合病院, 3.山口平成病院)

Keywords:腰痛, 因子, ストレス

【目的】
我が国において業務上腰痛は,労働基準局に報告された業務上疾病の約60%を占めている。先行研究では腰痛の発生因子として,作業時の動作内容や負荷量,作業環境に伴う心因的ストレス等が報告されている。本研究の目的は腰痛に関連する種々の因子の影響を検証し,腰痛予防の一助とすることである。

【方法】
対象は当院のリハビリセンターに在職している職員79名(年齢28.9±5.9歳,男女比34:45)とした。調査項目は年齢,性別,身長,体重,職種,腰痛の有無,運動頻度を質問紙にて聴取し,ストレステストとして職業性ストレス簡易調査票を行った。快適歩行時の歩行速度,cadence,歩幅およびその左右差,骨盤の前後傾角,左右回旋角,左右傾斜角をG-WALK(BTS社製)を用いて計測した。体幹の柔軟性として立位体前屈および後屈時の第7頸椎から第5腰椎までの距離の変化率と,直立位と最大側屈時の指床間距離の変化率を,下肢筋力評価として30秒椅子立ち上がりテストを,体幹筋力評価として背筋力を計測した。
統計学的解析は,はじめに単変量解析を尺度特性に合わせて2群比較を行った。その結果から,腰痛の有無を従属変数,年齢,BMI,PT,ST,Assistant,ストレス,歩行比,右側屈,後屈の9変数を投入独立変数として多重ロジスティック回帰分析を行った。また,独立変数の多重共線性は認めなかった。いずれの解析にもSPSS.ver12.0Jを使用し,有意水準は5%とした。

【結果と考察】
多重ロジスティック回帰分析の結果,PTとストレスが抽出され,オッズ比はPTが3.45,ストレスが1.078であった。Hosmer Remeshow検定の結果はp=0.772でありモデルの適合度は良好,また正判別率が73.4%と予測精度は良好であった。
結果より,今後当院における理学療法士特有の機械的ストレスの解明やその軽減方法の検討,業務に関連する心因的ストレスを軽減するための取り組みを検討していく必要があることがわかった。