[P2-C-0679] 当院の車椅子レンタルシステムの運用状況について
Keywords:車椅子, 回復期リハビリテーション病棟, レンタルシステム
【はじめに】
回復期リハビリテーションに携わる理学療法士には,心身機能の改善を図る能力とともに,患者様のADL獲得に向けて適切な福祉用具(装具,車椅子など)を早期に導入し自宅復帰を支援する関わりが求められている。
当院は開設当初より理学療法部門で車椅子,車椅子関連物品を一括で管理,運営し,患者様一人に対し1台のモジュラー型車椅子を提供し患者様の身体特性やADLの状況に応じ理学療法士が調整・変更を行ってきた。
平成22年より外部レンタル業者に車椅子管理を委託し,病院にて費用を負担し患者様に提供する定額レンタルシステムに車椅子の利用形態を変更し,より多くの車椅子,車椅子関連物品を利用できる体制を整えた。
今回,定額レンタル下にて利用している車椅子,車椅子クッションの種類,傾向,退院後の利用に関してまとめたのでここに報告する。
【方法】
定額レンタルシステムでは,まず入院前日までに回復期リハビリテーション病棟管理者が事前情報として,疾患名,障害名,身長,体重,褥瘡の有無,関節拘縮などの身体特性と嚥下機能,高次脳機能障害などを前院に確認し,前日にレンタル委託業者に患者情報を伝達,入院当日朝までに事前情報に基づいた車椅子,車椅子関連物品をレンタルカタログの中の車椅子15種類(普通型11種類,Tilt・リクライニング型4種類),車椅子クッション15種類の中からレンタル業者が準備し,入院当日から患者に適したモジュラー型の車椅子を提供するシステムである。その後の車椅子の調整,見直し,変更は理学療法士,作業療法士,院内在中の2~3名のレンタル業者を中心に身体特性の変化に伴い実施している。
平成25年4月~平成26年3月までの1年間の定額レンタルでの車椅子利用状況を院内のテクノエイド検討委員会にて毎月調査し,車椅子および車椅子クッションの種類と利用数の月毎の利用平均の結果をまとめるとともに,退院後に入院中から継続して同じ車椅子をレンタルされたケースの数,特徴を調査した。
【結果】
当院入院中の患者様が平成25年4月からの1年間の利用数は車椅子は13種類であった。
利用数は月平均135.2±10.2台の車椅子を患者様に提供しており,レボネクスト:77.8±9.0台,ネッティIII:23.3±5.2台,レボII:12.8±5.7台,レボ:7.9±1.5台,スマートプラス:4.9±2.8台,L’sレボ:3.1±2.4台,ネッティα:2.3±2.2台,電動レボ:1.3±1.0台となっていた。1年間通して1名の患者様しか利用されていないリラックスやモータスといった種類の車椅子も確認できた。
車椅子クッションの利用種類は15種類,利用数は月平均120枚,利用の多い順にL’sスプラダブル:68.6±5.3枚,J2クッション:9.6±2.1枚:,リバティー2:7.9±3.5枚,ロホクワドトロセレクト:6.7±3.2枚:,アカデミー6.5±3.0枚,エクストリーム4.3±2.2枚,メリディアン:4.1±1.5枚,ゾイドPSV:4.0±2.0枚といった順で利用されていた。
退院後継続してレンタルされた車椅子は普通型18台,Tilt・リクライニング型3台の計21台であり,レボネクスト7台,スマートプラス3台,レボ3台,ネッティIII2台,アゼリアミニ2台,その他4種類の車椅子が1台ずつ入院中から継続し退院後もレンタル業者より継続レンタルされていた。
退院後もTilt・リクライニング型を継続して利用したケースはFIM利得1.7±1.2点と低い結果であった。
【考察】
今回平成25年度の当院の車椅子,クッションのレンタル状況を調査した。車椅子,クッションともに多数の種類が利用されており,車椅子はレボネクスト,クッションはスプラダブルの院内での利用が多かった。これは入院時の事前情報として,普通型車椅子が適合と判断された場合はまず,簡易な調整機能を有するレボネクストを用意している点,クッションは失禁などの対応が容易かつ,圧分散,姿勢保持機能の高いL’sスプラダブルが用意される傾向が多く,特別な見直しを要しない場合,入院時に用意された車椅子を調整し,対応していること多いためと考えられる。
退院後に継続して利用された車椅子は1年間で21台のみであり,ここにはレンタル委託業者を退院後のその他の福祉用具とともに準備することによるレンタル業者の変更や,院内では身体特性,ADLの変化に合わせて利用できるモジュラー型車椅子が必須であると考えるが,在宅生活ではより簡易で軽量な車椅子が求められる傾向もあると考えられる。継続して調査し退院後にどのような車椅子を利用されたかを検討する。
また,入院中の利用は車椅子,クッションの組み合わせが多岐に渡り,シーティングの目的や,利用者の意見などは今回の調査では明確にできなかった。
今後継続評価し報告を実施する。
回復期リハビリテーションに携わる理学療法士には,心身機能の改善を図る能力とともに,患者様のADL獲得に向けて適切な福祉用具(装具,車椅子など)を早期に導入し自宅復帰を支援する関わりが求められている。
当院は開設当初より理学療法部門で車椅子,車椅子関連物品を一括で管理,運営し,患者様一人に対し1台のモジュラー型車椅子を提供し患者様の身体特性やADLの状況に応じ理学療法士が調整・変更を行ってきた。
平成22年より外部レンタル業者に車椅子管理を委託し,病院にて費用を負担し患者様に提供する定額レンタルシステムに車椅子の利用形態を変更し,より多くの車椅子,車椅子関連物品を利用できる体制を整えた。
今回,定額レンタル下にて利用している車椅子,車椅子クッションの種類,傾向,退院後の利用に関してまとめたのでここに報告する。
【方法】
定額レンタルシステムでは,まず入院前日までに回復期リハビリテーション病棟管理者が事前情報として,疾患名,障害名,身長,体重,褥瘡の有無,関節拘縮などの身体特性と嚥下機能,高次脳機能障害などを前院に確認し,前日にレンタル委託業者に患者情報を伝達,入院当日朝までに事前情報に基づいた車椅子,車椅子関連物品をレンタルカタログの中の車椅子15種類(普通型11種類,Tilt・リクライニング型4種類),車椅子クッション15種類の中からレンタル業者が準備し,入院当日から患者に適したモジュラー型の車椅子を提供するシステムである。その後の車椅子の調整,見直し,変更は理学療法士,作業療法士,院内在中の2~3名のレンタル業者を中心に身体特性の変化に伴い実施している。
平成25年4月~平成26年3月までの1年間の定額レンタルでの車椅子利用状況を院内のテクノエイド検討委員会にて毎月調査し,車椅子および車椅子クッションの種類と利用数の月毎の利用平均の結果をまとめるとともに,退院後に入院中から継続して同じ車椅子をレンタルされたケースの数,特徴を調査した。
【結果】
当院入院中の患者様が平成25年4月からの1年間の利用数は車椅子は13種類であった。
利用数は月平均135.2±10.2台の車椅子を患者様に提供しており,レボネクスト:77.8±9.0台,ネッティIII:23.3±5.2台,レボII:12.8±5.7台,レボ:7.9±1.5台,スマートプラス:4.9±2.8台,L’sレボ:3.1±2.4台,ネッティα:2.3±2.2台,電動レボ:1.3±1.0台となっていた。1年間通して1名の患者様しか利用されていないリラックスやモータスといった種類の車椅子も確認できた。
車椅子クッションの利用種類は15種類,利用数は月平均120枚,利用の多い順にL’sスプラダブル:68.6±5.3枚,J2クッション:9.6±2.1枚:,リバティー2:7.9±3.5枚,ロホクワドトロセレクト:6.7±3.2枚:,アカデミー6.5±3.0枚,エクストリーム4.3±2.2枚,メリディアン:4.1±1.5枚,ゾイドPSV:4.0±2.0枚といった順で利用されていた。
退院後継続してレンタルされた車椅子は普通型18台,Tilt・リクライニング型3台の計21台であり,レボネクスト7台,スマートプラス3台,レボ3台,ネッティIII2台,アゼリアミニ2台,その他4種類の車椅子が1台ずつ入院中から継続し退院後もレンタル業者より継続レンタルされていた。
退院後もTilt・リクライニング型を継続して利用したケースはFIM利得1.7±1.2点と低い結果であった。
【考察】
今回平成25年度の当院の車椅子,クッションのレンタル状況を調査した。車椅子,クッションともに多数の種類が利用されており,車椅子はレボネクスト,クッションはスプラダブルの院内での利用が多かった。これは入院時の事前情報として,普通型車椅子が適合と判断された場合はまず,簡易な調整機能を有するレボネクストを用意している点,クッションは失禁などの対応が容易かつ,圧分散,姿勢保持機能の高いL’sスプラダブルが用意される傾向が多く,特別な見直しを要しない場合,入院時に用意された車椅子を調整し,対応していること多いためと考えられる。
退院後に継続して利用された車椅子は1年間で21台のみであり,ここにはレンタル委託業者を退院後のその他の福祉用具とともに準備することによるレンタル業者の変更や,院内では身体特性,ADLの変化に合わせて利用できるモジュラー型車椅子が必須であると考えるが,在宅生活ではより簡易で軽量な車椅子が求められる傾向もあると考えられる。継続して調査し退院後にどのような車椅子を利用されたかを検討する。
また,入院中の利用は車椅子,クッションの組み合わせが多岐に渡り,シーティングの目的や,利用者の意見などは今回の調査では明確にできなかった。
今後継続評価し報告を実施する。