[P2-C-0764] 当法人キャリアパスと意識調査
Keywords:キャリアパス, 人材育成, アンケート
【はじめに,目的】
当法人は現在131名のリハセラピストが在籍し,急性期・回復期・生活期までの各疾患別リハを提供している。この間新人教育プログラムを作成し運用してきたが,徐々に中堅職員層も増加し教育プログラムの見直しが必要となってきたため,キャリアパス(キャリア開発プログラム)を作成し2013年4月より運用を開始した。開始から1年6ヶ月経過しスタッフへの意識調査アンケートを行った。
【方法】2013年4月よりキャリアパス運用を開始した。概要は下記の通りである。
方針:総合性を持った上で専門性を持った人財を育成する
目的:1.専門家として継続して成長し続けられる環境をつくる
2.在宅を経験し総合性を身につけられる環境をつくる
3.専門研修に取り組み組織内で相互成長できる環境をつくる
基礎研修(入職1~1.5年目)
・初期配置の「急性期」「回復期・慢性期」を修了する。
・アドバイザーとのマンツーマンで臨床業務を学ぶ。
総合研修(入職1.6~6年目)
・「急性期」「回復期・慢性期」「生活期」「マネジメント基礎」全てを修了する。
・2年目から在宅ローテをすすめ基本的に6年目までに「生活期」を修了する。
・本人の希望があれば「希望選択」ができる。
・総合研修プログラムが修了次第,専門研修に進むことができる。
専門研修(入職7年目~)
・ジェネラリストコース(幅広い知識と技術を備える。臨床現場の中心的存在として実務的に貢献する),スペシャリストコース(生涯にわたって特定専門分野を極める。技術建設や研究発表等を推進し,組織の技術向上に貢献する),マネジメントコース(組織の管理・運営に重点をおいて業務に当たる。組織の安定と発展に貢献する)から希望コースを選択し専門性を高める。
・本人の希望があればコースの複数選択もできる。
・臨床,教育,学術に関する行動目標を自己設定し,2回/年の目標管理面接で経過を報告する。
キャリアパスの妥当性を検討するため,当法人リハビリテーション部131名を対象に4段階評価の意識調査アンケートを実施した。対象者は男性56名,女性75名,理学療法士68名,作業療法士41名,言語聴覚士22名,年齢は21~45歳で平均29.2歳,経験年数は1~23年目で平均6.7年である。
【結果】
118名より回答を得た。アンケート回収率は90.1%であった。結果は以下の通りである。
1.キャリアパスの制度(基礎研修・総合研修・専門研修)についてどう思いますか?
良い43%,まあ良い51%,やや悪い3%,悪い2%
2.内容(講義・実技・頻度・時期)についてどう思いますか?
良い34%,まあ良い58%,やや悪い4%,悪い0%
3.基礎・総合・専門研修の期間についてどう思いますか?
良い36%,まあ良い54%,やや悪い5%,悪い0%
4.セラピストとしての専門性が身についてきていると感じますか?
そうだ19%,まあそうだ63%,ややそうではない14%,そうではない3%
5.セラピストとしてのやりがいを感じていますか?
そうだ44%,まあそうだ52%,ややそうではない3%,そうではない0%
結果は概ね良好であったが「プレッシャーやストレスを感じている人も多い」「ローテーションで係業務や病棟との連携が落ちつかない」「チェックシートは大変」「難しい目標にチャレンジする人と簡単な目標の人との差がある」「終わりがないため良いか悪いかわからない」といった意見も寄せられた。
【考察】
アンケート調査の結果,良い・まあ良い,そうだ・まあそうだ,を合わせると各質問の82~96%を占めた。全ての質問において,基礎研修,総合研修,専門研修の順にアンケート評価が高い傾向が見られた。基礎研修と総合研修はチェックシート形式で課題が明確となりやすいが,専門研修は目標を自己設定して取り組むため個人の温度差が出やすいと考えられる。目標管理面接での面接側の指導援助能力の向上も課題であると考える。また2014年度の専門研修は,ジェネラリストコース59%,スペシャリストコース25%,マネジメントコース16%の分布となった。スペシャリスト志望者が多いのは心強いが「自称」と呼ばれないように継続した自己研鑽と援助が必要である。職場での教育プログラムをon the job training,協会生涯学習システムをoff the job trainingと位置づけて一人一人のキャリアデザイン実現を支援していきたい。
【理学療法学研究としての意義】
近年大規模職場が増加してきており,また中堅教育やベテラン教育は今後の課題となっている。当法人のキャリアパスは一つの試行モデルとなるのではないかと考えている。今後修正を加えながらよりよい形にブラッシュアップしていきたい。
当法人は現在131名のリハセラピストが在籍し,急性期・回復期・生活期までの各疾患別リハを提供している。この間新人教育プログラムを作成し運用してきたが,徐々に中堅職員層も増加し教育プログラムの見直しが必要となってきたため,キャリアパス(キャリア開発プログラム)を作成し2013年4月より運用を開始した。開始から1年6ヶ月経過しスタッフへの意識調査アンケートを行った。
【方法】2013年4月よりキャリアパス運用を開始した。概要は下記の通りである。
方針:総合性を持った上で専門性を持った人財を育成する
目的:1.専門家として継続して成長し続けられる環境をつくる
2.在宅を経験し総合性を身につけられる環境をつくる
3.専門研修に取り組み組織内で相互成長できる環境をつくる
基礎研修(入職1~1.5年目)
・初期配置の「急性期」「回復期・慢性期」を修了する。
・アドバイザーとのマンツーマンで臨床業務を学ぶ。
総合研修(入職1.6~6年目)
・「急性期」「回復期・慢性期」「生活期」「マネジメント基礎」全てを修了する。
・2年目から在宅ローテをすすめ基本的に6年目までに「生活期」を修了する。
・本人の希望があれば「希望選択」ができる。
・総合研修プログラムが修了次第,専門研修に進むことができる。
専門研修(入職7年目~)
・ジェネラリストコース(幅広い知識と技術を備える。臨床現場の中心的存在として実務的に貢献する),スペシャリストコース(生涯にわたって特定専門分野を極める。技術建設や研究発表等を推進し,組織の技術向上に貢献する),マネジメントコース(組織の管理・運営に重点をおいて業務に当たる。組織の安定と発展に貢献する)から希望コースを選択し専門性を高める。
・本人の希望があればコースの複数選択もできる。
・臨床,教育,学術に関する行動目標を自己設定し,2回/年の目標管理面接で経過を報告する。
キャリアパスの妥当性を検討するため,当法人リハビリテーション部131名を対象に4段階評価の意識調査アンケートを実施した。対象者は男性56名,女性75名,理学療法士68名,作業療法士41名,言語聴覚士22名,年齢は21~45歳で平均29.2歳,経験年数は1~23年目で平均6.7年である。
【結果】
118名より回答を得た。アンケート回収率は90.1%であった。結果は以下の通りである。
1.キャリアパスの制度(基礎研修・総合研修・専門研修)についてどう思いますか?
良い43%,まあ良い51%,やや悪い3%,悪い2%
2.内容(講義・実技・頻度・時期)についてどう思いますか?
良い34%,まあ良い58%,やや悪い4%,悪い0%
3.基礎・総合・専門研修の期間についてどう思いますか?
良い36%,まあ良い54%,やや悪い5%,悪い0%
4.セラピストとしての専門性が身についてきていると感じますか?
そうだ19%,まあそうだ63%,ややそうではない14%,そうではない3%
5.セラピストとしてのやりがいを感じていますか?
そうだ44%,まあそうだ52%,ややそうではない3%,そうではない0%
結果は概ね良好であったが「プレッシャーやストレスを感じている人も多い」「ローテーションで係業務や病棟との連携が落ちつかない」「チェックシートは大変」「難しい目標にチャレンジする人と簡単な目標の人との差がある」「終わりがないため良いか悪いかわからない」といった意見も寄せられた。
【考察】
アンケート調査の結果,良い・まあ良い,そうだ・まあそうだ,を合わせると各質問の82~96%を占めた。全ての質問において,基礎研修,総合研修,専門研修の順にアンケート評価が高い傾向が見られた。基礎研修と総合研修はチェックシート形式で課題が明確となりやすいが,専門研修は目標を自己設定して取り組むため個人の温度差が出やすいと考えられる。目標管理面接での面接側の指導援助能力の向上も課題であると考える。また2014年度の専門研修は,ジェネラリストコース59%,スペシャリストコース25%,マネジメントコース16%の分布となった。スペシャリスト志望者が多いのは心強いが「自称」と呼ばれないように継続した自己研鑽と援助が必要である。職場での教育プログラムをon the job training,協会生涯学習システムをoff the job trainingと位置づけて一人一人のキャリアデザイン実現を支援していきたい。
【理学療法学研究としての意義】
近年大規模職場が増加してきており,また中堅教育やベテラン教育は今後の課題となっている。当法人のキャリアパスは一つの試行モデルとなるのではないかと考えている。今後修正を加えながらよりよい形にブラッシュアップしていきたい。