第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター11

士会活動2

2015年6月7日(日) 13:10 〜 14:10 ポスター会場 (展示ホール)

座長:堀秀昭(福井医療短期大学 リハビリテーション学科理学療法学専攻)

[P3-0873] (公社)埼玉県理学療法士会における2014年度診療報酬改定に関するアンケート調査

渡辺学1, 岡持利亘2, 海老澤玲1, 竹村美穂1, 染谷恵3, 白根美央3, 塩野入勇太2, 戸口智子2, 関口裕也2, 廣瀬友太3 (1.北里大学メディカルセンター, 2.霞ヶ関南病院, 3.さいたま記念病院)

キーワード:医療保険, 診療報酬, アンケート

【目的】
埼玉県士会職能局医療保険部では,2014年度診療報酬改定に関する県内会員の意識を把握し,士会の活動方針を検討することを目的としてアンケート調査を行った。
【活動報告】
質問は,1)ADL維持向上等体制加算と2)地域包括ケア病棟入院料については算定状況とメリット・デメリット,3)廃用症候群リハビリテーションについては算定数と返戻数および意見とした。調査期間は2014年7月23日から8月29日で,対象は県内医療保険機関所属の理学療法部門管理者とした。回収は80件で回収率は28%であった。1)では算定予定なしが90%で,理由としてコストと算定要件が挙げられた。しかし,理学療法士の役割向上のメリットがあると考える機関が60%あった。2)では算定予定なしが76%で,理由として算定要件の厳しさを挙げていた(28%)。メリットには病院の機能向上(60%)やイメージ向上(27%)が挙げられた。3)で改定の影響があるとした49%の機関のうち92%が改定前より算定数を減じていた。改定後にレセプト返戻があった17機関における返戻理由では,新書式の不備が8件,原因疾患が3件であった。自由記載による意見では,「必要性があるのに対象疾患範囲が狭い」との意見が多くみられた。
【考察】
ADL維持向上等体制加算と地域包括ケア病棟入院料については,理学療法士の役割と病院機能の向上にとって有益との考えが,施行後4か月で会員の多くに浸透していることが受け取れた。廃用症候群リハビリテーションについては存続の必要性を多くの会員が感じており,算定対象を障害レベルなど新たな枠組みで認めてもらえる働きかけを行う必要があると考えられた。
【結論】
新設のリハビリ料の普及には,工夫によりコスト的なメリットを導出できることを会員に啓蒙すること,廃用症候群は将来的な増大を見込み新たな枠組みでの算定への働きかけとエビデンスを蓄積する活動を県士会として推進する必要があると検討された。