第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター12

子供への対応

2015年6月7日(日) 09:40 〜 10:40 ポスター会場 (展示ホール)

座長:北里堅二(菊南病院 リハビリテーション部)

[P3-0878] 群馬県における「特別支援学校機能強化モデル事業」への理学療法士協会の参加と課題

小川克行1, 勝山志野1, 小野美由紀1, 櫻井綾美1, 河内麻衣子1, 臼田由美子1, 下谷守2, 山路雄彦3 (1.群馬県理学療法士協会地域局小児リハビリテーション部, 2.群馬県理学療法士協会地域局担当理事, 3.群馬県理学療法士協会会長)

キーワード:特別支援学校, 多職種連携, 教育

【目的】群馬県理学療法士協会(以下,県士会)地域局小児リハビリテーション部は,小児理学療法の情報提供と地域の療育他職種との連携を目的としている。本県では,常勤理学療法士(PT)が勤務する特別支援学校1校を除き,PTが直接教育現場に出向く機会は少ない。平成25年度より県教育委員会から「特別支援学校機能強化モデル事業」への参加を県士会が,作業療法士会および言語聴覚療法士会とともに委託され,協力を開始した。その参加状況と今後の課題を報告する。
【活動報告】広く県士会員を対象に協力依頼,事業説明会を開催し,協力者リストに43名を登録した。県教育委員会が個々の協力PTと契約を結び,所属施設へ派遣依頼を行い実施した。県内を4エリアに分け,教育側エリア担当の特別支援教育アドバイザーと各PTエリア責任者が調整役を担った。教育現場から教育アドバイザーに依頼があがり,PTエリア責任者はその内容を考慮し,登録PTの日程調整を行った。25年度は準備が整った年度末3ヶ月間で,特別支援学校,特別支援学級,幼稚園の16教育機関に計28回,計18名のPTが参加し,報告書を提出した。教員からの相談は,姿勢,歩行,移乗の支援方法・授業や体育の参加・装具の使用方法・校内環境調整などであった。肢体不自由以外の知的・視覚の支援学校や支援学級からの軽度運動障害やぎこちなさへの対応,高等部での運動機能低下に関わる相談も多かった。
【考察】参加は,学校現場の実際を知る貴重な機会となった,同時に,教育現場のニーズの高さと,PTとしてその場で評価し,具体的に教員にアドバイスする困難さや,教育に関わる知識不足が明らかとなった。勉強会や症例報告を通し知識や経験の蓄積と共有に取り組み,現場のニーズに対応できるPTを増やしていく必要がある。
【結論】今後は,教育現場のニーズの掘り起こし,実績を積み重ね,教育機関でのリハ職の職域拡大に結びつけたい。