第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター13

多職種連携・その他2

Sun. Jun 7, 2015 10:50 AM - 11:50 AM ポスター会場 (展示ホール)

座長:金子操(自治医科大学附属病院 リハビリテーションセンター)

[P3-0883] 病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標の妥当性の調査研究

原田和宏1,2, 内山靖1, 臼田滋1, 松葉好子1, 青山誠1, 永冨史子1, 半田一登1 (1.病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標作成事業作業部会, 2.吉備国際大学大学院)

Keywords:尺度開発, 多職種連携, 妥当性

【目的】
高齢社会の到来を受け医療・介護・地域の連携の期待がいっそう高まっている。日本理学療法士協会平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等国庫補助金事業では「病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標」の試作を行った。デルファイ法にて「実行状況(0~32点)」,「能力(0~32点)」「機能(0~28点)」を作成し,多職種間で共有しやすい可能性を提案した。本演題では評価指標の妥当性について報告する。
【活動報告】
全国の医療専門職種計1万名を対象に行った調査で,患者・利用者情報を記載する調査をPT,OT,STに併せて依頼した。データから指標の1)内的整合性,2)構成概念妥当性,3)基準関連妥当性を検討した。患者・利用者データは1,650名分得られた。内的整合性は「実行状況」,「能力」,「機能」それぞれでCronbach’s αが0.940,0.939,0.685となった。「機能」の「疼痛」と「呼吸循環機能」はItem Total相関が低かった。構成概念妥当性について検証的因子分析の結果,実行状況と能力を上位概念とする項目は概ね0.6~0.9の高い因子負荷量であった。一方,機能を上位概念とする項目のうち「疼痛」と「呼吸循環機能」等は因子負荷量が低かった。基準関連妥当性についてはmodified Rankin Scale等の既存の状態指標点数と0.45以上の相関となった。
【考察】
妥当性の検討は地域包括ケアに向けた多職種連携ツールの基礎資料となり得る。基準関連妥当性は指標としての有用な特性を示した一方で,構成概念妥当性において機能を上位概念とする「疼痛」と「呼吸循環機能」が特異的な障害構造を有している可能性が示唆され検討の余地を残した。
【結論】
多職種の連携情報として,疾患・病期・職種の違いにかかわらずに共通な患者・利用者の状態像の可視化に向けて前進できたと考える。