第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

調査研究 ポスター7

地域/在宅

2015年6月7日(日) 13:10 〜 14:10 ポスター会場 (展示ホール)

[P3-C-0816] 高齢者の外出・社会活動意識に関する研究

身体状況と活動意識との関係

河野奈美1, 藤田大輔2 (1.大阪電気通信大学医療福祉工学部, 2.よどがわ保健生活協同組合淡路診療所)

キーワード:高齢者, 介護予防, 意識調査

【目的】
厚生労働省では2025年を目途に,重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現しようとしている。その中で,リハビリテーションへの期待も大きく,心身機能の改善だけを目指すものではなく,日常生活の活動を高め,家庭や社会への参加を促し,QOLの向上を目指すことを介護予防の理念としている。
このような状況の中,高齢者の外出意欲を高めることは介護予防を実施する上で重要な課題である。外出や社会活動意識に関する調査は各市町村から多く報告されているが,怪我や病気の有無や加齢による影響に関する比較研究はほとんど見られない。そこで今回,地域在住高齢者の外出意識との特徴について調査検討した。
【方法】
調査協力の得られたA診療所とB老人福祉施設に通われている65歳以上の高齢者で研究の目的を説明し同意の得られた利用者55名を対象とした。性別,年代,介助の有無,移動方法,怪我や病気の有無,外出や社会活動状況と意識について自記入式調査票を用いて実施した。統計処理はSPSS statistical 21を用いて怪我や病気の有無,前後期高齢者と各要因関係につてχ2検定を用い行った。
【結果と考察】
有効回収率は90.9%,後期高齢者60%,独歩可能68%,怪我や病気があり70%であった。年齢に関係なく半数は買い物に行きたいと思っており,病気や怪我がある者がより買い物に行きたいという思いが有意に強かった(p<.05)。また,飲食店やスポーツ施設に行きたいといった食や運動への関心が後期高齢者では前期高齢者に比べ有意に低いことが明らかとなった(p<.05)。以上より,介護予防を実施する上で,買い物に行くことを目標においたアプローチや食や運動への関心を高めるような提案が必要であることが示唆された。