[P3-C-0823] 新潟における野球肘検診の取り組みと課題
Keywords:野球肘検診, 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎, 野球手帳
【目的】成長期野球肘の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(肘OCD)は,重篤な関節障害をもたらすが,早期発見により保存治療で競技復帰が可能になるため,超音波検査による肘検診が各地で行われるようになった。新潟では2006年から野球肘検診を開始し,検診の受診者数の増加と検診地域の拡大,検診の継続性を高めるために行ってきた取り組みと今後の課題について報告する。
【方法】検診内容は,野球開始年齢,ポジション,既往歴などの問診票の記入と理学療法士(PT)による肘関節の疼痛と可動域検査,医師による超音波検査を行い,肘OCDの有無をスクリーニングした。肘OCD疑いの選手には,保護者や指導者を含め医療機関での精査を勧めた。
【結果と考察】野球肘検診の普及は人的,時間的,経済的制約などにより,一部の選手や地域に限定されることがある。新潟での肘検診は,2006年の1市,1会場,67名から始まり,2013年には8市,11会場,1865名に拡大した。8年間で延べ6601人に肘検診を実施し,117人の肘OCD疑いの選手に対して医療機関への受診勧告を行った。新潟での野球肘検診が順調に普及した要因として,医師による肘検診の意義や成長期野球選手の障害の病態説明,PTによるコンディショニング指導など障害予防の重要性を啓発する研修会を肘検診と並行して行ったこと。医師,PTで構成する野球障害ケア新潟ネットワークを立ち上げ,青少年の健全な野球をサポートする組織として発足した新潟県青少年野球団体協議会に医療側の組織として加盟したこと。成長期投球障害予防を念頭に置いた野球手帳を作成し,配布したことなどがあげられる。しかし,野球肘検診は参加する医師やPTのボランティアで成り立っている現状にあり,今後更に肘検診を拡大するには,より多くの医師,PTの協力が必要となる。また,肘検診による予防効果を検証し,投球障害予防に関する情報を発信し続けることが検診の継続には必要となる。
【方法】検診内容は,野球開始年齢,ポジション,既往歴などの問診票の記入と理学療法士(PT)による肘関節の疼痛と可動域検査,医師による超音波検査を行い,肘OCDの有無をスクリーニングした。肘OCD疑いの選手には,保護者や指導者を含め医療機関での精査を勧めた。
【結果と考察】野球肘検診の普及は人的,時間的,経済的制約などにより,一部の選手や地域に限定されることがある。新潟での肘検診は,2006年の1市,1会場,67名から始まり,2013年には8市,11会場,1865名に拡大した。8年間で延べ6601人に肘検診を実施し,117人の肘OCD疑いの選手に対して医療機関への受診勧告を行った。新潟での野球肘検診が順調に普及した要因として,医師による肘検診の意義や成長期野球選手の障害の病態説明,PTによるコンディショニング指導など障害予防の重要性を啓発する研修会を肘検診と並行して行ったこと。医師,PTで構成する野球障害ケア新潟ネットワークを立ち上げ,青少年の健全な野球をサポートする組織として発足した新潟県青少年野球団体協議会に医療側の組織として加盟したこと。成長期投球障害予防を念頭に置いた野球手帳を作成し,配布したことなどがあげられる。しかし,野球肘検診は参加する医師やPTのボランティアで成り立っている現状にあり,今後更に肘検診を拡大するには,より多くの医師,PTの協力が必要となる。また,肘検診による予防効果を検証し,投球障害予防に関する情報を発信し続けることが検診の継続には必要となる。