[P3-C-0839] 身体状況に合わせた理学療法介入によって活動量増加が認められ,歩行および動作能力の向上につながった重複疾患を持つTKA術後患者の一症例
キーワード:関節リウマチ, 低ナトリウム血症, 深部静脈血栓症
【目的】関節リウマチ(以下,RA),肋骨骨折などを重複疾患に持つTKA術後患者の理学療法を経験した。各疾患への対応,術後リスク管理を行い,病棟と連携し身体状況に合わせて介入することで歩行及び動作能力の改善が認められたため,ここに報告する。
【症例提示】70歳代,女性。2008年よりRAを認め保存的治療中であった。2014年3月,変形性膝関節症に対して,両側TKA施行目的で当院へ入院したが,転倒により肋骨骨折を受傷したため,同年5月に延期となった。入院時は膝痛・左肘関節痛(RA)の増悪や体幹・下肢筋力の低下,肋骨骨折の影響により活動量低下が見られ,起居動作は中等度介助を要した。歩行距離は最大介助下で5m程度であった。
【経過と考察】理学療法介入は,貧血,低Na血症の影響により,術後5日目となった。介入当初から深部静脈血栓症の疑いに対するリスク管理及び左肘関節・肋骨骨折部の疼痛に対する適切なポジショニングを行い,ベッド上での運動療法や起居動作練習を進めた。病棟では,自主トレーニング指導と看護師への協力を依頼した。
術後7日目からは,嘔気や眩暈の症状・関節への負担に注意し,低負荷での筋力トレーニングと平行棒内立位練習を開始した。その後,歩行器・T-cane歩行へと徐々に負荷を上げた。術後17日目以降は,看護師と連携し病棟でも理学療法プログラムを施行し,離床時間・歩行距離の拡大に取り組んだ。
最終評価時は,筋力の改善が認められ,起居動作自立に至り,ADLもFIM89点から107点へと改善した。歩行は,T字杖を使用して70m可能となり,術後27日目に理学療法目的にて転院となった。
本症例は,入院前の活動量低下から筋力・耐久性の低下が認められていた。術後の活動量増加は,歩行能力の改善に影響を与えるとされている。術後早期から病棟と連携して身体状況に合わせた運動療法や起居動作練習を進め,活動量を増やしたことで,動作能力や歩行能力の向上に繋がったと考えた。
【症例提示】70歳代,女性。2008年よりRAを認め保存的治療中であった。2014年3月,変形性膝関節症に対して,両側TKA施行目的で当院へ入院したが,転倒により肋骨骨折を受傷したため,同年5月に延期となった。入院時は膝痛・左肘関節痛(RA)の増悪や体幹・下肢筋力の低下,肋骨骨折の影響により活動量低下が見られ,起居動作は中等度介助を要した。歩行距離は最大介助下で5m程度であった。
【経過と考察】理学療法介入は,貧血,低Na血症の影響により,術後5日目となった。介入当初から深部静脈血栓症の疑いに対するリスク管理及び左肘関節・肋骨骨折部の疼痛に対する適切なポジショニングを行い,ベッド上での運動療法や起居動作練習を進めた。病棟では,自主トレーニング指導と看護師への協力を依頼した。
術後7日目からは,嘔気や眩暈の症状・関節への負担に注意し,低負荷での筋力トレーニングと平行棒内立位練習を開始した。その後,歩行器・T-cane歩行へと徐々に負荷を上げた。術後17日目以降は,看護師と連携し病棟でも理学療法プログラムを施行し,離床時間・歩行距離の拡大に取り組んだ。
最終評価時は,筋力の改善が認められ,起居動作自立に至り,ADLもFIM89点から107点へと改善した。歩行は,T字杖を使用して70m可能となり,術後27日目に理学療法目的にて転院となった。
本症例は,入院前の活動量低下から筋力・耐久性の低下が認められていた。術後の活動量増加は,歩行能力の改善に影響を与えるとされている。術後早期から病棟と連携して身体状況に合わせた運動療法や起居動作練習を進め,活動量を増やしたことで,動作能力や歩行能力の向上に繋がったと考えた。