第50回日本理学療法学術大会

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分科学会 シンポジウム

日本心血管理学療法学会(日本循環器学会との合同シンポジウム) 分科学会 シンポジウム6

心血管治療としての理学療法―可能性への挑戦―循環器治療としての理学療法・運動療法

Sat. Jun 6, 2015 12:30 PM - 2:20 PM 第2会場 (ホールC)

座長:内山覚(新東京病院 リハビリテーション室), 田畑稔(豊橋創造大学 保健医療学部)

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内山覚, 田畑稔 (新東京病院リハビリテーション室)

心血管疾患に対する理学療法の歴史は,長期の安静を必要とする虚血性心疾患の廃用症候群(deconditioning)の改善として始まり,運動療法を中心とした身体機能の回復を目指す介入として発展してきた。その後虚血性心疾患の治療は再灌流療法の進歩,血管内デバイスの開発など,短期間で虚血を改善する治療へと大きくパラダイムシフトしている。発症早期に虚血を解除することで,心機能は維持され,身体機能の低下は極めて少なくなった。一方で,運動療法の多面的効果が報告され,単に身体機能の回復にとどまらず,血管内皮機能の改善,自律神経の正常化,炎症の改善,不整脈の減少などが示されている。これらの効果は心疾患患者に生じたdeconditioningの改善という意味合いよりも,運動療法が心疾患の発症そのものや再発の予防に有効であることを示している。
また,対象とする疾患は虚血性心疾患のみならず,心臓血管外科手術,心不全,大血管疾患,末梢動脈疾患へと適応を拡大し,教育やカウンセリングを含む包括的介入を多職種で行う時代になってきている。今後は,治療薬との相互作用,TAVIやCRTD,VADなどの新たなデバイスとの関係,心移植などへの適応拡大が予想され,さらなる発展が期待されている。
本シンポジウムでは,日本循環器学会から代田浩之先生をお迎えし,医師の立場で循環器領域の運動療法の変遷を総括していただき,理学療法士に今後の課題をご示唆いただきます。また,渡辺敏先生(日本心血管理学療法学会代表幹事),河野祐二先生(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院),松永篤彦先生(北里大学医療衛生学部)の3名の理学療法士に登壇していただき,実践における「治療としての理学療法・運動療法」について解説して頂きます。
50回の記念学会にふさわしく,過去の歴史と未来への展望を総括したシンポジウムを展開しますのでぜひご参加下さい。