[S-08-1] 脳卒中後遺症の再建
~これまでのあゆみと可能性への挑戦~
理学療法士にとって,脳卒中患者はよく関わる疾患ではあり,その再建は大きなテーマの一つでもある。しかし,障がいの重度化,重複化など疾病構造変化,病院機能分化,地域連携推進などの国の施策も進み,脳卒中患者の理学療法を取り巻く環境も大きく変化してきている。
日本理学療法士協会神経系理学療法研究部会が2007年3月に発行した冊子「NU-STEPからIISTEPを経てIIISTEPへ」には,脳卒中患者の理学療法として,永年行われていた神経生理学的アプローチの課題や今後のあるべき方向性が述べられている。脳卒中患者の理学療法に携わる理学療法士として,これからのあゆみを考える際,大変貴重な内容であり,知っておくべきではあるが,多くの理学療法士はこの内容を知らないのも現状である。
脳卒中患者の理学療法の在り方は立位や歩行練習に用いる長下肢装具を含めた下肢装具に対する認識の変化やロボティクスの発達により大きく変化してきている。脳卒中患者に対する理学療法として,関連するガイドラインを参考に,常に科学的な検証視野を持ち,目の前の患者に提供しなければならない。
2001年より障害の捉え方も,国際障害分類から国際生活機能分類にかわり,脳卒中患者の運動麻痺改善やADL改善のみでなく,生活レベルや社会参加にどのように反映されたのかが問われている。理学療法の効果は,急性期,回復期の退院時がゴールではなく,在宅を含め地域に戻られた後も継続的に豊かに生活が出来ているかどうかである。経過を要する脳卒中患者は,一医療機関では完結できず,他施設との連携がますます重要視されるであろう。医療機関はますます機能分化し,生活期を含めた地域全体で情報共有を含めた支援体制の在り方も考えなければならない。
本シンポジウムでは,脳卒中患者に対する理学療法のあゆみや,国の施策的動向を振り返り,今後,我々が歩むべき方向性を共有できるシンポジウムとなることを願う。
日本理学療法士協会神経系理学療法研究部会が2007年3月に発行した冊子「NU-STEPからIISTEPを経てIIISTEPへ」には,脳卒中患者の理学療法として,永年行われていた神経生理学的アプローチの課題や今後のあるべき方向性が述べられている。脳卒中患者の理学療法に携わる理学療法士として,これからのあゆみを考える際,大変貴重な内容であり,知っておくべきではあるが,多くの理学療法士はこの内容を知らないのも現状である。
脳卒中患者の理学療法の在り方は立位や歩行練習に用いる長下肢装具を含めた下肢装具に対する認識の変化やロボティクスの発達により大きく変化してきている。脳卒中患者に対する理学療法として,関連するガイドラインを参考に,常に科学的な検証視野を持ち,目の前の患者に提供しなければならない。
2001年より障害の捉え方も,国際障害分類から国際生活機能分類にかわり,脳卒中患者の運動麻痺改善やADL改善のみでなく,生活レベルや社会参加にどのように反映されたのかが問われている。理学療法の効果は,急性期,回復期の退院時がゴールではなく,在宅を含め地域に戻られた後も継続的に豊かに生活が出来ているかどうかである。経過を要する脳卒中患者は,一医療機関では完結できず,他施設との連携がますます重要視されるであろう。医療機関はますます機能分化し,生活期を含めた地域全体で情報共有を含めた支援体制の在り方も考えなければならない。
本シンポジウムでは,脳卒中患者に対する理学療法のあゆみや,国の施策的動向を振り返り,今後,我々が歩むべき方向性を共有できるシンポジウムとなることを願う。