[TK-03-1] ニューロリハビリテーションと運動療法
我々の脳卒中後遺症に対する経頭蓋磁気刺激療法やボツリヌス毒素治療を用いた戦略的治療を論文紹介しながら述べる。
我々は,2008年4月より脳卒中後遺症である失語症に対して,fMRIの結果から経頭蓋磁気刺激部位を決定し,それに基づいた反復性経頭蓋磁気刺激と集中言語聴覚療法の併用を世界に先駆けて治療として体系化し,失語症治療としての有効性を報告してきた。また,同様に脳卒中後上肢麻痺患者に対する反復性経頭蓋磁気刺激と集中的作業療法の併用療法NEURO(N ovE l Intervention U sing R TMS and O ccupational Therapy)も世界に先駆けて治療として体系化し,脳卒中後上肢麻痺治療としての有効性を報告してきた。現在,脳卒中後遺症である嚥下障害や下肢麻痺にも適応拡大し,その有効性を報告している。
2014年6月にClinical Neurophysiologyに「Evidence-based guideline on the use of repetitive transcranial magnetic stimulation(rTMS)」と題されたrTMSについてのガイドラインが発表された。このガイドラインでは,すでに多く発表されたエビデンスに基づいたうえで,脳卒中後麻痺に対するrTMSの使用はグレードBで明確に推奨されている。我々の英文論文も12本引用されている。また,この併用療法に関するRCTとしては,NEURO-VERIFY研究という報告(Abo M, et al., International Journal of Stroke 2013;9:607-612)をした。結果として,rTMSと集中的リハの併用療法の効果がCI療法の効果に勝るとも劣らない可能性が示唆された(CI療法はグレードAで推奨されている)。この麻痺側上肢運動機能を有意に改善NEUROのメカニズムはどのようなものなのか?SPECTやfMRIの評価により,Neuromodulationを説明する。
また,2010年10月に上肢・下肢痙縮に対してボツリヌス毒素治療が保険収載され,いち早く戦略的治療手段として使用している。痙縮の改善に対してはLevel A evidenceであるが,機能改善目的のボツリヌス毒素治療の効果について,自験例から検討する。
我々は,2008年4月より脳卒中後遺症である失語症に対して,fMRIの結果から経頭蓋磁気刺激部位を決定し,それに基づいた反復性経頭蓋磁気刺激と集中言語聴覚療法の併用を世界に先駆けて治療として体系化し,失語症治療としての有効性を報告してきた。また,同様に脳卒中後上肢麻痺患者に対する反復性経頭蓋磁気刺激と集中的作業療法の併用療法
2014年6月にClinical Neurophysiologyに「Evidence-based guideline on the use of repetitive transcranial magnetic stimulation(rTMS)」と題されたrTMSについてのガイドラインが発表された。このガイドラインでは,すでに多く発表されたエビデンスに基づいたうえで,脳卒中後麻痺に対するrTMSの使用はグレードBで明確に推奨されている。我々の英文論文も12本引用されている。また,この併用療法に関するRCTとしては,NEURO-VERIFY研究という報告(Abo M, et al., International Journal of Stroke 2013;9:607-612)をした。結果として,rTMSと集中的リハの併用療法の効果がCI療法の効果に勝るとも劣らない可能性が示唆された(CI療法はグレードAで推奨されている)。この麻痺側上肢運動機能を有意に改善NEUROのメカニズムはどのようなものなのか?SPECTやfMRIの評価により,Neuromodulationを説明する。
また,2010年10月に上肢・下肢痙縮に対してボツリヌス毒素治療が保険収載され,いち早く戦略的治療手段として使用している。痙縮の改善に対してはLevel A evidenceであるが,機能改善目的のボツリヌス毒素治療の効果について,自験例から検討する。