○武富由雄
(神戸大学名誉教授)
理学療法士身分制度制定までの歩み:明治から昭和の時代まで,病院や診療所で外科療法の一助として医療マッサージや物理療法に携わる技術者に,医学者は学術的,技術的発展を推進,身分制度確立へ積極的にとり組む。
リハビリテーションとの出会い:昭和35年,勤めていた大阪大学医学部附属病院整形外科理療室の場で身を以て「Rehabilitation」と「Physical Therapy」と出会う。
法的身分制度確立:昭和40年,国会において「理学療法士及び作業療法士法案」が可決,制定,そして公布,特例措置により昭和41年の国家試験受験,合格,そして免許取得。
日本理学療法士協会創設活動へ:協会設立へ国立療養所東京病院清瀬リハビリテーション学院卒第1期卒業生合格者と特例措置合格者の有志が準備活動開始,昭和41年協会が発足。
世界理学療法連盟加盟への端緒:昭和42年,第5回世界理学療法連盟の総会・学会へオブザーバーとして出席,協会加盟への端緒,国際的発展に繋げることへ。
国際的活動へ:昭和43年,アフガニスタン国へ医療派遣専門家として公務出張,それ以後,開発途上国から派遣された研修生への指導,国際スポーツ大会での診療担当など国際的活動展開へ。
医学部保健学科設置:昭和57年,文部大臣から神戸大学へ転任の命,理学療法学科設置に奔走,短期大学部から医学部保健学科へ昇格,高等教育へ歩みを進めた。
学術活動:全国研修会長と日本理学療法士学会長を務め,国際学会へも参加,学会員として学術活動を進めていった。
社会活動:未知であった理学療法を社会に根付くまで自治体や医療機関が設置した各種委員会や会合に参加,社会活動に足を踏み入れる。
理学療法のルーツ:理学療法の原点をふり返って。
歩んで来た道を前方に据えて見る,聞くことができる。本講演が未知の理学療法の発展への縁となればと思う。