[TK-06-1] 医療情報の管理と活用
1990年の電子カルテ解禁以降,臨床現場への情報通信技術の導入が急速に進み,今や大規模病院は情報システムの支援無しでは臨床活動そのものが滞るようになってきている。
病院情報システムが院内で発生するコミュニケーション(オーダやカルテ)を一旦仲介しはじめると,病院で交換される全ての情報がシステムに蓄積されるようになる。全ての情報が蓄積されているのであれば,得られた情報を分析するだけで,病院で行われている全てのことが分かるのではないかと考えがちである。しかし,得られた情報の性質,あるいは,情報を得るプロセスそのものの性質を十分理解しておかなければ,情報に翻弄されて,自らを誤った結論へと導く可能性すら有る。得られた情報を正しく分析するためには,情報収集系から改めて見つめ直す必要がある。
情報が大量に蓄積されると別の問題も発生する。病院情報システムに蓄積される情報の多くは患者の究極の個人情報で有り,漏出すれば多大な不利益を生じさせることが容易に想像される。したがって,情報管理には高度な安全担保措置をとることが求められるが,多くの場合,過度な安全担保措置の適用は,情報の可用性を著しく阻害し利用者の違反行為を誘発することで,却って情報漏出を招きがちである。情報の安全性を維持するためには,これに関わる人の性質から改めて見つめ直す必要がある。
本教育講演では,病院情報システムを題材に,そもそも情報はどういう性質を持つものなのか,その利用者はどういう性質を持つものなのかを示し,演者の経験を交えつつ,情報を安全に管理し,最大限活用するための方法やその可能性を講じる。
加えて,近年のインターネットを中心とする情報通信技術の発達によって,医療を取り巻く環境がどう変わりつつあるのかについても簡単に講じる。
病院情報システムが院内で発生するコミュニケーション(オーダやカルテ)を一旦仲介しはじめると,病院で交換される全ての情報がシステムに蓄積されるようになる。全ての情報が蓄積されているのであれば,得られた情報を分析するだけで,病院で行われている全てのことが分かるのではないかと考えがちである。しかし,得られた情報の性質,あるいは,情報を得るプロセスそのものの性質を十分理解しておかなければ,情報に翻弄されて,自らを誤った結論へと導く可能性すら有る。得られた情報を正しく分析するためには,情報収集系から改めて見つめ直す必要がある。
情報が大量に蓄積されると別の問題も発生する。病院情報システムに蓄積される情報の多くは患者の究極の個人情報で有り,漏出すれば多大な不利益を生じさせることが容易に想像される。したがって,情報管理には高度な安全担保措置をとることが求められるが,多くの場合,過度な安全担保措置の適用は,情報の可用性を著しく阻害し利用者の違反行為を誘発することで,却って情報漏出を招きがちである。情報の安全性を維持するためには,これに関わる人の性質から改めて見つめ直す必要がある。
本教育講演では,病院情報システムを題材に,そもそも情報はどういう性質を持つものなのか,その利用者はどういう性質を持つものなのかを示し,演者の経験を交えつつ,情報を安全に管理し,最大限活用するための方法やその可能性を講じる。
加えて,近年のインターネットを中心とする情報通信技術の発達によって,医療を取り巻く環境がどう変わりつつあるのかについても簡単に講じる。