第50回日本理学療法学術大会

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合同シンポジウム

日本整形外科学会 合同シンポジウム1

超高齢社会における健康長寿の実現と運動器対策

Fri. Jun 5, 2015 1:50 PM - 3:40 PM 第1会場 (ホールA)

座長:村永信吾(亀田総合病院 リハビリテーション事業管理部), 中村耕三(日本整形外科学会前理事長/国立障害者リハビリテーションセンター)

[TS-03-3] ロコモ啓発活動の取り組みの紹介と理学療法士への期待

大江隆史 (ロコモ チャレンジ!推進協議会委員長/名戸ヶ谷病院整形外科)

ロコモ チャレンジ!推進協議会(以下,協議会)は日本整形外科学会がロコモ関連事業を委託するために2010年8月に発足させた。協議会ではロコモ啓発に関する事業として2014年度よりその計画の中心を地域,自治体活動の支援としている。協議会では自治体向けにロコモ認知向上・理解促進プログラム(ロコモメイトプログラム)と,ロコモ予防・改善に資する運動指導プログラム(ロコモコールプログラム)を作成した。
ロコモメイトプログラムは小学生から高齢者までを対象として1)ロコモに関する講義,2)ロコモ度テストの実演と解説,3)みんなでロコトレ,4)ロコモ対策ワークショップを約2時間で行うものである。参加者は自らのロコモ対策に関する想いをロコモチャレンジ!宣言として発表し,終了後ロコモの認知と理解の達成の証しとしてロコモメイト認定証を授与することとしており,そのためのロゴを作成した。
ロコモコールプログラムは,二次予防対象者や要支援者など運動機能改善が必要な人を対象に3カ月のロコトレによる介入を行い,その前後でロコモ度テストを中心とした運動機能検査を行い,介入の効果を判定する。プログラムは1)初回の運動機能評価とロコトレ指導,2)週2回の運動チェックと励ましのための電話連絡,3)3ヶ月後の再評価,4)修了証の授与からなる。初回は医師1名と理学療法士2名が集団指導,検査を行い,電話連絡はコールセンターを設置して行う。
プログラム実行には講演する医師,パンフレット・ロコモ度テストツールなど資材,参加者募集のための広報,会の進行,コールセンターの設置と電話連絡などの他に実技指導や運動機能測定のための理学療法士の協力が必須である。協議会では2014年度はこの2つのプログラムを自治体の負担を極めて少なくして試験的に行っている。シンポジウムではその成果を報告し,今後持続可能とするための課題について理学療法士のみなさんと議論したい。