第50回日本理学療法学術大会

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合同シンポジウム

日本医学教育学会 合同シンポジウム2

医学教育の進歩と理学療法

Fri. Jun 5, 2015 4:00 PM - 5:50 PM 第2会場 (ホールC)

座長:浅香満(高崎健康福祉大学 保健医療学部理学療法学科)

[TS-05-5] 理学療法学教育の現状と課題

吉元洋一 (鹿児島大学臨床理学療法学講座)

わが国における理学療法士の教育は,昭和38年に国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院(平成20年3月閉校)に理学療法科(3年課程)が設置されたことに始まる。理学療法士および作業療法士法は昭和40年に成立し,その後時代の変化とともに変遷を繰り返し現在に至っている。
当初3年制の専門学校としてスタートしたが,昭和45年に医療関係者審議会理学療法・作業療法部会から厚生大臣,文部大臣に両分野の養成を学校教育法に基づく大学教育に委ねることが望ましいとの意見が出されている。さらに,昭和52年に日本学術会議は「リハビリテーションに関する教育,研究体制について」の勧告により,昭和54年には,わが国初の学校教育法に基づく3年制短期大学が金沢大学医療技術短期大学部で開設され,平成4年には,広島大学に4年制大学が設置された。
平成26年8月現在,4年制大学95校(定員4,707人),3年制短期大学6校(410人),4年制専門学校68校(3,928人),3年制専門学校80校(4,345人),計249校(13,425人)となっている。
平成11年の理学療法士・作業療法士学校・養成施設指定規則では,一般教育科目14単位,専門基礎科目26単位,専門科目35単位,臨床実習18単位の計93単位となっている。総単位数に占める臨床実習の割合は,19.4%である。初期には50%を超えていた臨床実習が20%を下回る状況になっている。臨床実習教育については,クリニカルクラークシップを進めているが,就職後すぐに患者を担当する事を考えると,この形態についても議論が必要になる。
高齢社会を迎え,疾病構造の変化や障害の多様化などにより時代とともに指定規則は改正されているが,近年では予防領域に対する理学療法士の活躍も期待されているので,カリキュラムを含めた検討が必要である。