第50回日本理学療法学術大会

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大会シンポジウム

大会シンポジウム4

これからの理学療法研究―世界への発信―

Sat. Jun 6, 2015 10:15 AM - 12:05 PM 第2会場 (ホールC)

座長:黒木裕士(京都大学大学院 医学研究科人間健康科学系専攻理学療法学講座)

[TS-06-2] 高齢者理学療法研究の立場から

山田実 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)

2014年時点で我が国の高齢化率は25.1%となり,世界で唯一高齢化率が24%を超えた超高齢社会を迎えている。日本の高齢化は今後益々増加する見込みであり,2030年までに30%,2060年には40%に到達するとも予想されている。なお,この高齢化については我が国だけでの問題ではなく,他国も日本を追従するように高齢化が進んでいる。そのため,長寿先進国である我が国の高齢化(者)対策は他国にとって指針となりうるものであり,我が国の動向や情報を積極的に世界へ発信していく必要がある。このことは理学療法関連領域でも例外ではなく,高齢者における認知症,サルコペニア,フレイルなどの予防・改善策の実態については国内外に向けて広く発信していく責務がある。このような高齢期の諸問題は古くて新しい領域であり,高齢化が進行したが故にフォーカスされるようになってきた。近年では国際共同研究,国際比較研究,それに国際的統合データ分析なども盛んに行われるようになり,各方面で我が国からの積極的な参画が切望されている。そのためにもまずは国内の多施設共同研究の実施や共通した指標を用いたデータベースの構築などを整備すべきであり,今後は理学療法士協会や各分科会がイニシアティブをとり世界に情報発信していくことも求められるだろう。