第50回日本理学療法学術大会

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合同シンポジウム

日本集中治療医学会 合同シンポジウム7

早期リハビリテーションを安全かつ確実に行うために

Sun. Jun 7, 2015 11:40 AM - 1:30 PM 第2会場 (ホールC)

座長:眞渕敏(兵庫医科大学病院 リハビリテーション部), 小幡賢吾(岡山赤十字病院 リハビリテーション科)

[TS-15-2] 看護管理者の立場から

道又元裕 (杏林大学医学部付属病院看護部)

急性期における患者の回復プロセスは、決して楽なものではなく、様々な困難を乗り越えて行かねばならない。その道のりの結果を握っている要素は幾つもあるが、中でも早期離床へ導くリハビリテーションの介入も重要ポイントと言える。
今や急性期医療のリハビリテーションは、数年前の診療報酬改定にも伺えるように、従来の安定回復期のリハビリテーションとは異なり、スタートに対するスタンスは勿論のこと、対象となる疾病、状態は外科、内科などの領域を問わず拡大してきている。つまり、全身状態が安定し、患者が自らリハビリテーションを始めることが可能となってからの介入ではなく、超早期であっても介入の余地があれば速やかに開始することが必要となっている。
その背景には早期離床を実現することによって、不要な臥床による肺炎などの合併症などの廃用による連鎖的機能低下、二次的合併症を予防できることが明らかとなったことによる。この不要な連鎖的合併症の発生を予防するためには、多職種によるチーム医療が不可欠となる。単一職種ばかりが、その専門領域のパワーを駆使したところで限界があるばかりか、余計に増悪してしまうことも否めない。全身・局所管理、モニタリング、アセスメント、合併症の予測、開始と中止および過程の評価(安全と危険の判断、効果の評価)、機能回復のためのスキル、患者のQualityを前提とした展望などについて他職種が協働・共同の下リハビリテーションを提供することが求められる。その中で、看護師は実践者としてのスキルを提供する役割のみならず、チーム医療の他職種を繋ぐ中心的役割をも担っている。したがって、患者を早期回復へと導くリハビリテーションについても精通することが必要である。
そこで、本学会シンポジウム特集では、「早期リハビリテーションを安全にかつ確実におこなうために」臨床で実践すべきチームアプローチについて看護師管理者の立場から述べる。