第50回日本理学療法学術大会

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ワークショップ

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学会版徒手筋力検査法の開発と関節可動域評価指針の作成に関する中間報告

Fri. Jun 5, 2015 10:10 AM - 12:00 PM 第6会場 (ホールD7)

座長:藤澤宏幸(東北文化学園大学 医療福祉学部リハビリテーション学科)

[W-01-1] 理学療法基本評価検討ワーキンググループの活動

ワーキンググループ設置の目的と経緯

藤澤宏幸 (東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科)

理学療法を実施するにあたり、関節可動域測定法(ROMテスト)ならびに徒手筋力検査法(MMT)は基本かつ重要な評価法であることは論をまたない。その重要性は日本理学療法士協会(本会)においても早くから認識されており、1978年に設置された本会学術部評価委員会によりROMテスト試案が発表されたのである。これらの対応は、日本整形外科学会による「関節可動域表示および測定法(1948年)」が、1974年日本整形外科学会身体障害委員会および日本リハビリテーション医学会評価基準委員会によって改訂されたことを一つの契機としている。ただし、残念なことに次の1995年改訂版には、日本理学療法士協会の試案は十分に反映されなかった。また、MMTについては未だ本会による提案がなされておらず、本邦で最も普及している検査法の改訂版が出るたびに基準が変わるのが実情である。
そこで、2012年に新たに理学療法基本評価検討委員会(日本理学療法士学会発足とともに、ガイドライン・用語策定委員会のワーキンググループへ移行)が設置され、理学療法の基盤となる検査・測定の方法・判断基準を再検討し、真に理学療法に必要な測定法の開発を目的として活動してきた。本ワーキンググループの短期目標は、1)ROMテスト(1995年改訂版)に関する学会評価指針の作成、2)学会版MMTの開発、の2点である。ROMテストについては日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会による1995年改訂版が広く普及しているが、理学療法の臨床においては多様な障害像に対する評価指針が必要と判断した。一方、MMTについては臨床の場で最も活用している日本理学療法士学会の構成員によって、新しい方法を開発することが望ましいと考えた。
このほど、2年間の活動を通じて各試案が完成したことを受け、学会員の皆様に概要を説明する機会を設けることができた。多くの参加者と共に、評価法に関する議論ができれば幸いである。