[Y-07-1] 認知症高齢者に対する脳活性化リハビリテーション
―効果的な理学療法を提供するために―
身体障害が対象である理学療法士にとって,認知症は治療の阻害因子と捉えられてきた。しかし平成18年より介護報酬において認知症短期集中リハ加算が,平成26年より診療報酬においても認知症患者リハ料が創設された。また地域包括ケアシステムの実現に向け,充実・強化されるべき課題として「認知症施策」や「介護予防の推進」が挙げられ,リハ専門職の活用が明記されている。このように近年では理学療法士も認知症を持つ人を治し・支えることが求められている。
認知症に対する社会的関心の高まりに伴い,認知症に対する運動療法の効果に関してエビデンスレベルの高い報告が増えている。それらによると,認知症高齢者の身体機能に対する運動療法の効果は,認知症のない高齢者に対するものと同等とされている。さらに認知機能とADLを維持・改善させ,うつ気分・興奮・徘徊・睡眠障害等の認知症の行動心理症状を軽減し,介護負担を軽減する可能性が示されている。
一方,認知症を発症すると,病識が低下する(自分の障害の程度を正しく認識できない)ため治療の必要性を理解しにくくなる。認知症のない患者とは異なり,「病気を治すためリハを行う」という患者-治療者関係は成立しにくい。効果的な理学療法を提供するためには,患者-治療者以外の関係性を築く必要がある。我々は効果的なリハの提供を目的に,認知症の障害像に基づき脳活性化リハの5原則(快・褒める・双方向コミュニケーション,役割,失敗させない支援)を提唱し,その効果を科学的に検証してきた。
当日は認知症に対する運動療法のエビデンスと効果的な理学療法を提供するためのポイントを解説したい。本プレゼンテーションを通じて,理学療法士の「認知症はよくならない」という認識のパラダイムシフトを起こし,理学療法士,認知症を持つ人双方が,快適で効果的な理学療法を行えるようにしたい。
認知症に対する社会的関心の高まりに伴い,認知症に対する運動療法の効果に関してエビデンスレベルの高い報告が増えている。それらによると,認知症高齢者の身体機能に対する運動療法の効果は,認知症のない高齢者に対するものと同等とされている。さらに認知機能とADLを維持・改善させ,うつ気分・興奮・徘徊・睡眠障害等の認知症の行動心理症状を軽減し,介護負担を軽減する可能性が示されている。
一方,認知症を発症すると,病識が低下する(自分の障害の程度を正しく認識できない)ため治療の必要性を理解しにくくなる。認知症のない患者とは異なり,「病気を治すためリハを行う」という患者-治療者関係は成立しにくい。効果的な理学療法を提供するためには,患者-治療者以外の関係性を築く必要がある。我々は効果的なリハの提供を目的に,認知症の障害像に基づき脳活性化リハの5原則(快・褒める・双方向コミュニケーション,役割,失敗させない支援)を提唱し,その効果を科学的に検証してきた。
当日は認知症に対する運動療法のエビデンスと効果的な理学療法を提供するためのポイントを解説したい。本プレゼンテーションを通じて,理学療法士の「認知症はよくならない」という認識のパラダイムシフトを起こし,理学療法士,認知症を持つ人双方が,快適で効果的な理学療法を行えるようにしたい。