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[19002-04-03] 東シナ海および亜熱帯循環西部での東京電力福島第一原子力発電所事故起源放射性セシウムの長期挙動
東京電力福島第一原子力発電所事故起源放射性セシウムは、表層では北太平洋の主要な二つの循環、亜寒帯循環と亜熱帯循環に従って、早い速度で輸送されたことが判っている。また沈み込みにより、亜熱帯モード水に入った事故起源放射性セシウムは海洋内部を西に進み、東シナ海北部の底層を経て、日本海の表層に数年のスケールで輸送されたことも判っている。本講演では、東シナ海南部の与那国島付近で、セシウム137放射能濃度はほとんど変わらないが134Csと137Csの放射能比が0.2-0.3であったものが2019年以降上昇し0.5程度となり、事故起源放射性セシウムの信号が10年程度のスケールで到達したことを報告し、輸送のプロセスについて議論する。また、小笠原海域での長期観測から、放射能濃度はゆっくり減少してはいるが、見かけの半減時間は相対的に長いことも報告し同じく輸送のプロセスについて議論する。