討論主題と依頼講演
討論主題(主題講演)
本討論会では以下の5件の討論主題を設定します。
1.環境における放射性物質と分析化学
オーガナイザー:島田亜佐子(原子力機構)
(趣旨)
東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、これまで確認されてこなかった放射性核種が様々な環境中で検出されており、今なお社会的な注目を浴びている。しかしながら、環境中の放射性物質は極めて広範な化学形態の中に存在しており、それを正しく分析するための技術やその評価については社会的な影響も相まって信頼性の高さが強く求められている。
このシンポジウムでは、現場である原子力施設で採取された試料の分析をはじめとし、環境への放出挙動に係る分析、環境中に沈着した放射性核種の植物への移行挙動に関する分析まで、広く環境中に於ける放射性物質の分析についての実情や新たな試みを紹介していただくべく話題を選択した。私たちの生活に必要となる環境を維持可能なものとするべく、縁の下の力持ちとして活躍している分析化学の力を改めてみつめてみたい。
(依頼講演)
東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、これまで確認されてこなかった放射性核種が様々な環境中で検出されており、今なお社会的な注目を浴びている。しかしながら、環境中の放射性物質は極めて広範な化学形態の中に存在しており、それを正しく分析するための技術やその評価については社会的な影響も相まって信頼性の高さが強く求められている。
このシンポジウムでは、現場である原子力施設で採取された試料の分析をはじめとし、環境への放出挙動に係る分析、環境中に沈着した放射性核種の植物への移行挙動に関する分析まで、広く環境中に於ける放射性物質の分析についての実情や新たな試みを紹介していただくべく話題を選択した。私たちの生活に必要となる環境を維持可能なものとするべく、縁の下の力持ちとして活躍している分析化学の力を改めてみつめてみたい。
(依頼講演)
| 中西 友子 | 星薬科大学学長/東京大学 |
| 田上 恵子 | 量子科学技術研究開発機構 |
| 浅井 志保 | 産業技術総合研究所 |
| 坂口 綾 | 筑波大学アイソトープ環境動態研究センター |
| 奥村 大河 | 東京大学大学院理学系研究科 |
2.量子ビームと分析化学
オーガナイザー:山本博之(量研)、山口央(茨城大理)
(趣旨)
放射光、荷電粒子、中性子等の「量子ビーム(量子線)」利用はその発生源となる加速器の特性などにより、高い輝度や広範なエネルギーだけでなく、収束性やパルス性などの特長によって、「極限領域」ともいえる微細空間や極短時間の世界を垣間見ることができるようになった。もちろんこのような「量子ビーム」を用いた分析技術にはトレーサビリティの確保や標準化など様々な課題を含んでおり、誰もが「もの差し」や「はかり」として用いるためには解決すべき課題も多い。しかしながら、その課題の解決の先には「究極の分析」が待っているように思える。これが「量子ビーム」を用いた分析技術開発の大きな魅力であろう。 本主題では、量子ビームを用いた分析の最前線とともに事例紹介、得られる情報や利用の実際から将来展望まで、量子ビームを軸とする幅広い内容の討論を行いたい。
(依頼講演)
放射光、荷電粒子、中性子等の「量子ビーム(量子線)」利用はその発生源となる加速器の特性などにより、高い輝度や広範なエネルギーだけでなく、収束性やパルス性などの特長によって、「極限領域」ともいえる微細空間や極短時間の世界を垣間見ることができるようになった。もちろんこのような「量子ビーム」を用いた分析技術にはトレーサビリティの確保や標準化など様々な課題を含んでおり、誰もが「もの差し」や「はかり」として用いるためには解決すべき課題も多い。しかしながら、その課題の解決の先には「究極の分析」が待っているように思える。これが「量子ビーム」を用いた分析技術開発の大きな魅力であろう。 本主題では、量子ビームを用いた分析の最前線とともに事例紹介、得られる情報や利用の実際から将来展望まで、量子ビームを軸とする幅広い内容の討論を行いたい。
(依頼講演)
| 佐藤 隆博 | 量子科学技術研究開発機構量子ビーム高崎 |
| 内海 渉 | 量子科学技術研究開発機構量子ビーム仙台 |
| 高椋 利幸 | 佐賀大学理工学部 |
| 上村 みどり | CBI研究機構量子構造生命科学研究所 |
3.地域から世界へ発信する電気分析化学
オーガナイザー:前田耕治(京工繊大院工芸科学、電気分析化学研究懇談会委員長)
(趣旨)
電気化学分析は、分析対象の拡大,電極材料や新規セルの創製,装置・測定法の開発,理論の深化など、一つの方法論としての発展にとどまらず、その汎用化、多様化に伴い、微粒子界面、バイオ、化学センサー、クロマトグラフィーなど多くの分野との連携をみせています。そのような局面のなかで,本討論主題では、とくに、地域の分析ニーズに注目して、そこから世界に発信、伝播、深化している、電気化学の理論、方法論に焦点を当てました。ここでいう「地域」とは、地場産業、自然環境、医療・福祉、教育、行政など、分析ニーズが現場に依存するステージを指し、個々の必要性から生まれた新しい発想に注目したいと思います。 本討論主題は、電気化学分析の多様性を有機的に連繋させる総合的な議論の場として設立された電気分析化学研究懇談会が主体となって進める予定です。非会員を含む産官学からの数名の依頼講演者と公募する一般講演から構成します。
(依頼講演)
電気化学分析は、分析対象の拡大,電極材料や新規セルの創製,装置・測定法の開発,理論の深化など、一つの方法論としての発展にとどまらず、その汎用化、多様化に伴い、微粒子界面、バイオ、化学センサー、クロマトグラフィーなど多くの分野との連携をみせています。そのような局面のなかで,本討論主題では、とくに、地域の分析ニーズに注目して、そこから世界に発信、伝播、深化している、電気化学の理論、方法論に焦点を当てました。ここでいう「地域」とは、地場産業、自然環境、医療・福祉、教育、行政など、分析ニーズが現場に依存するステージを指し、個々の必要性から生まれた新しい発想に注目したいと思います。 本討論主題は、電気化学分析の多様性を有機的に連繋させる総合的な議論の場として設立された電気分析化学研究懇談会が主体となって進める予定です。非会員を含む産官学からの数名の依頼講演者と公募する一般講演から構成します。
(依頼講演)
| 長峯 邦明 | 山形大学工学部 |
| 南 豪 | 東京大学生産技術研究所 |
| 澤田 和明 | 豊橋技術科学大学 |
| 芝 駿介 | 愛媛大学工学部 |
| 櫻谷 英治 | 徳島大学大学院社会産業理工学研究部 |
| 戸田 敬 | 熊本大学大学院先端科学研究部 |
| 水口 人史 | 山形東亜DKK株式会社 |
| 小島 順子 | シスメックス株式会社 |
4.ヘルスケアと分析化学
オーガナイザー:池羽田晶文(農研機構)
(趣旨)
ライフサイエンス分野における分析化学の役割は年々増加している。特に近年のコロナ禍においては,奇しくも「PCR検査」や「抗原検査」等の用語を通して分析化学の重要性は一般にまで浸透したように思われる。周知のようにライフサイエンス分野は極めて広範で,使用される分析機器も多岐にわたる。しかし,このため新規市場や将来展望を見通しにくいという課題がある.そこで本討論会では,特に私たちの日常に直結する「ヘルスケア」に討論主題を絞った講演会を企画する。ヘルスケアは世界的な潮流だが,特に「食と健康」という観点では文化的背景もあり、日本には世界をリードする研究が数多く存在する・本講演会では「栄養・健康機能性食品とフードテック」を中心に、現代的な「生活習慣病予防を目指した生体計測」や「健康管理とデータサイエンス」などの周辺技術に関する話題もとりあげ、分析化学の果たす役割について広く議論したい。
(依頼講演)
ライフサイエンス分野における分析化学の役割は年々増加している。特に近年のコロナ禍においては,奇しくも「PCR検査」や「抗原検査」等の用語を通して分析化学の重要性は一般にまで浸透したように思われる。周知のようにライフサイエンス分野は極めて広範で,使用される分析機器も多岐にわたる。しかし,このため新規市場や将来展望を見通しにくいという課題がある.そこで本討論会では,特に私たちの日常に直結する「ヘルスケア」に討論主題を絞った講演会を企画する。ヘルスケアは世界的な潮流だが,特に「食と健康」という観点では文化的背景もあり、日本には世界をリードする研究が数多く存在する・本講演会では「栄養・健康機能性食品とフードテック」を中心に、現代的な「生活習慣病予防を目指した生体計測」や「健康管理とデータサイエンス」などの周辺技術に関する話題もとりあげ、分析化学の果たす役割について広く議論したい。
(依頼講演)
| 十一 浩典 | 農研機構 分析研 |
| 庄司 俊彦 | 農研機構 食品研 |
| 横山 憲二 | 東京工科大学 応用生物学部 |
5.内山一美先生を偲ぶ
オーガナイザー:中釜達朗(日大生産工)、下坂琢哉(産総研)、森岡和大(東薬大)、中嶋秀(都立大院都市環境)
(趣旨)
本学会会長を務められました東京都立大学教授の内山一美先生が,2020年8月20日に63歳の若さでご逝去されました。内山先生は,本学会副会長(2013〜2014年,2016〜2017年),関東支部副支部長(2017〜2018年),ICAS2011実行委員,有機微量分析研究懇談会委員長,日中韓分析化学会議(CJK)日本側代表などの要職を歴任され,長年に渡って本学会の運営に携わってこられました。特に,2019年3月に本学会会長に就任されてからは,学会の財務状況の改善に向けてタスクフォースを立ち上げられるなど,学会改革に精力的に取り組まれました。また,日本化学会「化学だいすきクラブ小委員会」の委員長(2005〜2012年)として,教育活動にも長年貢献されてきました。一方,研究活動においては,薬学と工学の二つの異なる分野で培った経験と知識から生まれる斬新なアイディアに基づいた新しい分析法を数多く提案され,留学生を含む数多くの門下生を輩出されました。
本追悼セッションでは,生前の内山先生をよくご存知の方々と共に内山先生の功績を振り返り,新しい分析法や分析装置の開発について議論を深めるとともに,今後の日本分析化学会の在り方についても考える機会とさせていただきたいと考えています。ぜひご参加ください。
(依頼講演)
本学会会長を務められました東京都立大学教授の内山一美先生が,2020年8月20日に63歳の若さでご逝去されました。内山先生は,本学会副会長(2013〜2014年,2016〜2017年),関東支部副支部長(2017〜2018年),ICAS2011実行委員,有機微量分析研究懇談会委員長,日中韓分析化学会議(CJK)日本側代表などの要職を歴任され,長年に渡って本学会の運営に携わってこられました。特に,2019年3月に本学会会長に就任されてからは,学会の財務状況の改善に向けてタスクフォースを立ち上げられるなど,学会改革に精力的に取り組まれました。また,日本化学会「化学だいすきクラブ小委員会」の委員長(2005〜2012年)として,教育活動にも長年貢献されてきました。一方,研究活動においては,薬学と工学の二つの異なる分野で培った経験と知識から生まれる斬新なアイディアに基づいた新しい分析法を数多く提案され,留学生を含む数多くの門下生を輩出されました。
本追悼セッションでは,生前の内山先生をよくご存知の方々と共に内山先生の功績を振り返り,新しい分析法や分析装置の開発について議論を深めるとともに,今後の日本分析化学会の在り方についても考える機会とさせていただきたいと考えています。ぜひご参加ください。
(依頼講演)
| 佐藤 博 | 長崎国際大学薬学部 |
| 早下 隆士 | 上智大学理工学部 |
| 楊 明 | 東京都立大学大学院システムデザイン研究科 |
| 林 金明 | 清華大学(Department of Chemistry, Tsinghua University ; 中国) |
| 小森 亨一 | 一般社団法人日本分析機器工業会 |
| 藤永 薫 | 金沢工業大学客員教授 |