2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

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オーガナイズドセッション » [オーガナイズドセッション] OS-5 人とAIが織りなす新たなエコシステム

[1F3-OS-5b] 人とAIが織りなす新たなエコシステム(2)

2018年6月5日(火) 17:20 〜 19:00 F会場 (4F ガレリア)

17:40 〜 18:00

[1F3-OS-5b-02] 多様な視点で見つめるシンギュラリティ

技術・産業・行政を統合した社会構造モデルの提案

〇大澤 正彦1,2、齋藤 和紀3、三宅 陽一郎4、今井 倫太1 (1. 慶應義塾大学、2. 日本学術振興会特別研究員(DC1)、3. エクスポネンシャル・ジャパン、4. 株式会社スクウェア・エニックス)

キーワード:シンギュラリティ、収穫加速の法則

シンギュラリティに関する議論は,曖昧になったり,単一の視点からポジショントーク的に行われる場合が多いように見受けられる.シンギュラリティを客観的で包括的に考察していくためには,より多くの視点から議論を深めて行く必要がある。著者らは,2018年1月13日に「多様な視点で見つめるシンギュラリティ」というイベントを開催した.本稿では,イベントでの議論を踏まえて,技術,産業,行政の3つの視点に着目して,社会構造モデルを提案する.提案した社会構造モデルは,主に技術,産業,行政で扱われる概念群を2軸状にマッピングすると同時に,概念間に階層関係を付与している.2軸平面上の概念の位置は,概念の分解,個別発展と再解釈,波及,統合によって変化していくことが想定されており,概念の位置の変化を社会の変化として解釈することで,高速な変化を遂げる社会の把握に寄与できる可能性を検討している.さらに概念の指数関数的な発展を前提として提案モデルをもとに考察することで,今後は我々人間が扱う概念が一般的なものから専門的なものまで多様性を生む一方で,局所的な概念から大域的な概念へのシフトが起こっていくという仮説を提唱する.