2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

講演情報

口頭発表

一般セッション » [一般セッション] 13.AI応用

[1M3] AI応用-産業応用(2)

2018年6月5日(火) 17:20 〜 18:40 M会場 (2F アメジストホール鳳凰)

座長:大西 貴士(NEC/産総研)

17:40 〜 18:00

[1M3-02] ガスセンサシステムにおける伝達関数を用いたガス識別機械学習モデルの構築

〇今村 岳1、吉川 元起1,2、鷲尾 隆3 (1. 国立研究開発法人 物質・材料研究機構、2. 筑波大学、3. 大阪大学)

キーワード:計測インフォマティクス、センサ、嗅覚

近年の情報技術の発展に伴い、様々な分野でガスセンサシステムの応用が期待されている。ガスセンサシステムにおいて、センサシグナルからのガス識別方法の開発は、実用化に向けての重要な課題である。従来のガス識別方法では、解析可能なセンサシグナルを得るために全ての測定においてガス流量を厳密に揃える必要があったが、このような制限された流量制御でのガス識別方法は汎用性が低く、ガスセンサシステムの実用化を妨げる大きな要因となっていた。そこで本研究では、制御システムの概念である伝達関数をセンサシグナルの解析に導入し、伝達関数を記述子として機械学習を行うことにより、任意の流量制御からガスの識別が可能となるモデルの構築を行った。本研究では、膜型表面応力センサ(MSS)を用いて4種類の溶媒の蒸気の測定を行い、これらの識別を行う機械学習モデルの構築を行った。その結果、ランダムに変化する流量制御であっても0.98±0.03の精度で識別に成功した。本研究により、流量制御に依存せず相互に測定データを比較できる解析手法が開発されたことから、人工嗅覚を含む様々なガスセンサシステムの発展が期待される。