2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

講演情報

口頭発表

オーガナイズドセッション » [オーガナイズドセッション] OS-4 Well-being Computing

[2F3-OS-4b] Well-being Computing(2)

2018年6月6日(水) 15:20 〜 17:00 F会場 (4F ガレリア)

16:00 〜 16:20

[2F3-OS-4b-03] マインドワンダリングからの復帰に要する時間の瞑想経験による変化

〇川島 一朔1,2、髙橋 徹1,3、藤野 正寛3,4、熊野 宏昭2 (1. 早稲田大学大学院人間科学研究科、2. 早稲田大学人間科学学術院、3. 日本学術振興会DC、4. 京都大学大学院教育学研究科)

キーワード:マインドワンダリング、マインドフルネス、脳波

Mindfulness-Based Intervention (MBI) と呼ばれる、マインドフルネスを涵養するための瞑想といったトレーニン技法やそれらを主軸としたグループセッションが、Mind-Wandering (MW) の柔軟性を高め、Well-beingに貢献すると考えられている。MWの柔軟性とは、MWから素早く注意を切り替える能力を意味する。MBIによる効果を検討する上で、柔軟性を言語報告で測定することはできない。なぜなら、自身のMWに気がつく練習を行うMBIは、MWについての自己報告におけるバイアスに影響を及ぼす可能性があるためである。MWの柔軟性を測定するための、言語報告に依存しない方法が求められる。そこで我々は、近年発表された、MWの強度を1秒間隔の脳波と機械学習で推定する手法を用いた。これにより、14分間の瞑想中のMWの変動を観察した。続いてそれを4つの意識フェーズに分類し、被験者報告から分類の妥当性を一部確認した。最後に、MWに陥っている意識フェーズから集中している意識フェーズへ復帰するのにかかる時間を、MWの柔軟性の指標として算出し、瞑想経験量と相関することを示した。