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[2H3-NFC-4a-01] 食文化に関する異言語間情報共有の課題
キーワード:異文化コミュニケーション、機械翻訳、食文化
日本語と諸外国語の間で,語彙の多様性に大きな相違が見られる分野の一つに,食物・料理に関係する表現がある.それらの語彙が指し示す対象物は,密接な繋がりを持つ他の事物との連想・共起関係を通じて理解されているため,翻訳において非常に難しい問題が存在している.すなわち語彙レベルでの対応関係が存在しないか,あっても辞書レベルで近似的な訳語のみが示される場合,元の語が示す事物を想像することは困難であり,理解には追加説明を要する.本稿では,そのような事例を挙げながら,最近の人工知能に基づく翻訳技術の現時点での限界と,今後の課題について考察する.