2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » [OS] OS-10 不動産とAI

[1D3-OS-10b] 不動産とAI(2)

2019年6月4日(火) 15:20 〜 17:00 D会場 (301B 中会議室)

清田 陽司((株)LIFULL)、山崎 俊彦(東京大学)、諏訪 博彦(奈良先端科学技術大学院大学)、清水 千弘(日本大学)、橋本 武彦(GA technologies)

16:20 〜 16:40

[1D3-OS-10b-03] Web不動産データを用いた空物件が入居されるまでの期間に関するデータ特性を考慮した統計モデリング

〇渡邊 隼史1、一藤 裕2、鈴木 雅人3、山下 智志4 (1. 金沢大学、2. 長崎大学、3. UDアセットバリュエーション、4. 統計数理研究所)

キーワード:アパートローン、統計モデル、賃貸情報サイト

アパートローンは,賃貸物件に関するローンであり,銀行が貸出す全与信額の10%を超える巨大な融資であるにもかかわらず,これまで空室データベース等の不足により国内では十分な精度のリスク計量化モデルが考案されてこなかった.そこで,現在,アパートローンリスク計量モデル構築の予備研究として,不動産鑑定士による現地調査データとWeb不動産情報サイトデータという2つのデータについて入退去の観点でプロジェクト研究を行っている.前学会では,前処理法や2つのデータの統計特性の類似性を確認しWebデータの目的への利用可能性を示した.今学会では,「空室が埋まる期間(空室期間)」の性質をより詳細にデータ解析し,それに基づき空室期間と物件特性に関する簡単な確率モデルを構築した.結果(1)空室期間は幾何分布の特性で近似できる(2)空室期間は非線形考慮した混合幾何回帰モデルを用いて記述すると,その回帰係数は大まかには常識とは外れない(3)モデル等の解析ににより,空室期間変動を「Webで観測できる物件特性効果」,「非観測の物件特性効果」,「物件特性外のランダム効果」の変動の割合にそれぞれわけて見積もれる可能性を示した.