2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[1D4-J-1] 基礎・理論: 生命知を知る

2019年6月4日(火) 17:20 〜 18:40 D会場 (301B 中会議室)

座長:寺島 裕貴(NTT) 評者:小宮山 純平(東京大学)

18:20 〜 18:40

[1D4-J-1-04] 神経修飾を用いたニューラルネットワークによるメタ記憶の進化

〇大和 祐介1、鈴木 麗璽1、有田 隆也1 (1. 名古屋大学)

キーワード:人工生命、メタ記憶、メタ認知、エージェントベースモデル

人間は,特定の知識が自分の記憶に存在するかどうか,あるいはどれだけ正確に存在するかを認知する事が出来る.このような主観的な記憶に対する認知能力はメタ記憶と呼ばれる.Hamptonは遅延見合わせ課題を用いてサルが回避応答パラダイムにおけるメタ記憶の基準を満たすことを示した.しかし,これらのパラダイムはメタ記憶の判断を被験者の主観による報告ではなく,振舞いによって行っている.回避応答パラダイムにおいては,特定の刺激と回避行動を関連付けて覚えて難しい課題を回避することでメタ記憶判断の基準を満たし得ることが指摘されている.本研究の目的は,構成論的アプローチによって,メタ記憶能力を持つニューラルネットワークを進化させることである.
最初に,回避応答パラダイムにおけるメタ記憶の基準とメタ記憶を持つニューラルネットワークの最小要件の基準を明確にする.次に,遅延見合わせ課題によって進化したニューラルネットワークに対してメタ記憶の基準を軸に分析を行う.メタ記憶の基準を満たすニューラルネットワークの動作メカニズムを追求することで,ネットワークのメタ記憶的判断のメカニズムを明らかにした.