[1G2-SS-1-01] AIと哲学? AIの哲学? 哲学のAI
AI研究というのは,常に怪しい香りが漂う学問領域であったし,これからも,そうであろう.怪しい香りのしなくなった技術領域や科学領域は,AI研究からは卒業していく.怪しい香りを敏感に嗅ぎ取り,いちいち文句を言って厳しい論戦を挑んできてくれるのは,これまで哲学者だけであったし,これからも,そうであろう.我々は哲学者と議論しながら,自分が何を研究しようとしているのかを見つめ直し続けてきた.この,AIと哲学の間の望ましい関係は,今後も変わらないと考えるが,ここで,さらにもう一歩踏み込んでみたい.すなわち,AI研究にとって哲学が不可欠なだけでなく,哲学にとってAIが不可欠になる,という可能性を考え,議論してみたい.