2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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オーガナイズドセッション » [OS] OS-13 “ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導くエージェントの構築へ向けて

[1G3-OS-13a] “ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導くエージェントの構築へ向けて(1)

2019年6月4日(火) 15:20 〜 17:00 G会場 (302A 中会議室)

小野 哲雄(北海道大学)、今井 倫太(慶應義塾大学)、植田 一博(東京大学)、山田 誠二(国立情報学研究所

16:20 〜 16:40

[1G3-OS-13a-03] 人は他者の意見をどう活用しているか

商品の性質に関する検討

〇藤崎 樹1、本田 秀仁2、植田 一博1 (1. 東京大学、2. 安田女子大学)

キーワード:ナッジ、認知心理学、消費者心理学

情報技術の発展により、私たちは他人の意見を大量に、かつ手軽に入手できるようになった。しかし、人が、その他人の意見をどう活用しているかについては明らかになっていない点が多い。アマゾンに代表されるレビューサイトでは、多種多様な商品が表示されている。特に、商品の性質によって、感情ベースの消費、実用ベースの消費という、2種類の消費形態のいずれかが促されうることが知られている。本研究では、こうした商品の性質が、他人の意見の捉え方にどのような影響を与えるか検討する。「他人の意見」としては、評価分布に焦点を当てた。実験では、参加者に二択の商品選択課題を行わせた。この課題は、1つの商品名と、それに対する2つの評価分布から構成される。2つの評価分布は、評価の平均値は近いものの、分散が大きく異なる(高分散/低分散)。結果、商品の性質が、評価分布の選択傾向を変化させることが明らかになった。具体的には、感情ベースの消費を促す商品では、高分散が選択される確率が、実用ベースの消費を促す商品よりも高くなった。本論文では、この結果が生じた認知メカニズムを議論すると同時に、「ナッジ」に与える示唆について考察した。