2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[1H4-J-13] AI応用: 医療

2019年6月4日(火) 17:20 〜 19:00 H会場 (303+304 小会議室)

座長:今井 健(東京大学) 評者:古崎 晃司(大阪電気通信大学)

17:40 〜 18:00

[1H4-J-13-02] 胸部X線右肺底領域における肺血管正常モデルに基づく病変検出

〇野里 博和1、近藤 堅司1,2、河内 祐太1、坂無 英徳1、村川 正宏1、小澤 順1、清野 正樹2,3、藤本 真一3、田中 雅人3、安達 登志樹3、伊藤 春海3、木村 浩彦3 (1. 産業技術総合研究所、2. パナソニック株式会社、3. 福井大学)

キーワード:医用画像診断、胸部X線、高次局所自己相関特徴、部分空間法

胸部X線検査は,胸部全体にX線を照射して得られる平面画像に基づいて胸部臓器の異常検出を行う検査である.しかしながら,胸の中の構造物が重なり合って描写されているため,病変がこれら構造物に重なっていた場合,その病変を直接診断することが困難となる.正常な胸部X線画像には,胸部の臓器やそれらの境界線(解剖学的構造)が,おおよそ決まった位置,大きさ,角度,陰影状態で映っている.胸部に病変が存在した場合,これら解剖学的構造は,その病変の影響により正常な状態から変化する.この変化は,それぞれの解剖学的構造に対し医学的な根拠に基づいており,この変化を検出することで,病変自体が映っていなくても,異常の有無を検出することができる.そこで本稿では,解剖学的構造である右肺底領域の血管影に着目し,この領域の血管影が肺疾患により正常と異なることを利用し,正常な肺の肺血管の状態を学習して,病変を検出する異常検出手法を提案する.正常胸部X線画像697症例,異常胸部X線画像14症例を用いた実験の結果,感度92.9%特異度89.5%と提案手法による病変検出の有効性を確認した.