2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[1K3-J-4] 知識の利用と共有(2)

2019年6月4日(火) 15:20 〜 17:00 K会場 (201A 中会議室)

座長:川村 隆浩(農業・食品産業技術総合研究機構) 評者:古崎 晃司(大阪電気通信大学)

16:00 〜 16:20

[1K3-J-4-03] 異種ネットワーク上のノードエンベディング法による萌芽的研究分野特定のための分散表現抽出

〇大知 正直1、城 真範2、森 純一郎1、浅谷 公威1、坂田 一郎1 (1. 東京大学、2. 産業技術総合研究所)

キーワード:萌芽的研究分野特定、ノードエンベディング

研究への投資戦略策定のために,早い段階で有望な研究や研究分野を特定することは重要である.また,近年の論文出版数の急増及び専門知識の細分化のため,将来の技術動向を自動で予測する技術の開発が必要である.一方で技術の現状を表す指標には様々なものがあり,どの指標による未来予測を示すかは分析の目的に依存する.つまり,様々な指標による技術動向の自動予測を行うための基盤技術の開発が課題である.そこで,本稿では,出版社の論文データの様々な異種ネットワーク情報を用いて,未来の様々な技術指標を自動で予測するための分散表現を抽出する手法を提案する.実験の結果,論文間の参照関係の予測のF値は95.6%で,出版後3年後のh-indexは一定の条件下で64.4%だった. この結果は,論文間の参照関係を十分に写像できていることを示している.一方で,将来のh-indexの予測精度は比較手法と同等であり,さらに研究を深める必要がある.本論文の成果は,論文データ向けの異種ネットワーク分散表現が技術動向の自動予測を行うための基盤となる可能性が示唆している.