2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[1K3-J-4] 知識の利用と共有(2)

2019年6月4日(火) 15:20 〜 17:00 K会場 (201A 中会議室)

座長:川村 隆浩(農業・食品産業技術総合研究機構) 評者:古崎 晃司(大阪電気通信大学)

16:40 〜 17:00

[1K3-J-4-05] 組織移動情報と研究者の学術生産性を用いた研究組織環境の定量評価手法の提案

〇三浦 崇寛1、浅谷 公威1、坂田 一郎1 (1. 東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻)

キーワード:知識移転、計量書誌学、組織マネジメント

科学技術革新が発生するメカニズムは未だ明らかになっておらず,計量書誌学を用いてその構造を探る研究が行われている.特にComputer Scienceでは研究者に限らず投資家や各国政府もどの組織が分野を牽引していくのかに注目している.しかし既存の組織評価指標は組織が出した論文数や被引用数といった研究者集合としてのコミュニティ評価が中心であり,研究組織が研究者に与える影響に着目した研究プラットフォームに対する評価は予算など副次的なものに留まっている.本論文では,書誌情報を用いて研究組織環境が研究者の学術生産性に与える影響を定量評価する指標とその計算手法を提案する.その結果,組織の研究力は高いが研究者が育たない「頭脳の棺桶」の存在や,未だ研究結果は小さいが今後成長するシードとなりうる組織が明らかになり,学術生産性の高い組織が必ずしも優れた研究を促しているとは限らないことが確認された.本研究は各組織の研究動向を説明する大きな指標となるとともに,今後の研究組織マネジメントを行う上での重要な示唆を含んでいると考えられる.