2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[1O3-J-12] ヒューマンインタフェース・教育支援: 教育と評価

2019年6月4日(火) 15:20 〜 16:20 O会場 (1F 展示ホール左奥)

座長:曽我 真人(和歌山大学) 評者:倉山 めぐみ(函館高専)

15:40 〜 16:00

[1O3-J-12-02] 深層学習によるテスト理論:Deep Response Model

〇木下 涼1、植野 真臣1 (1. 電気通信大学)

キーワード:eテスティング、深層学習、アイテムバンク、等化、テスト理論

近年,Web上でテストを実施するeテスティングが注目を集めている.一般に,e テスティングの運用では,難易度や識別力などのパラメータが既知のテスト項目を,アイテムバンクと呼ばれるデータベースに蓄積する必要がある.しかし,項目パラメータの尺度はその受験者集団によって異なる.したがって,多くの場合,アイテムバンクを作成する際には,全ての項目のパラメータが同一尺度上に存在するように変換する等化という作業を行う必要がある.等化を行う際には,各テストの実施前に共通受験者や共通項目の選定を行うなどの等化計画が必要である.一般に,等化計画に基づくテスト実施には,膨大な時間的・経済的コストが生じるため,eテスティング導入の妨げとなっている.この問題を解決するために,本研究では,深層学習を用いて,綿密な等化計画を行っていない場合でも高精度に能力パラメータの推定,受験者の解答予測が可能なモデルを提案する.具体的には,受験者と項目を独立したニューラルネットワークの入力とし,それらの出力を組み合わせ,解答を予測することで,隠れ層が能力パラメータを保持するように設計した深層学習モデルを開発し,評価を行う.